日本アカデミー賞優秀賞最多13部門受賞、木村拓哉主演で“夫婦の絆”を描いた感動作「武士の一分」の見どころに迫る
11月22日(金)の“いい夫婦の日”にちなみ、BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)では同日夜8時から、夫婦の絆を描いた映画「武士の一分」(2006年公開)をノーカット放送する。本記事では、山田洋次監督と木村拓哉がタッグを組んだ本作のあらすじや見どころについて紹介していく。
笹野高史、桃井かおり、緒形拳さんら実力派俳優が集結
「たそがれ清兵衛」や「隠し剣 鬼の爪」などの作品で知られる小説家・藤沢周平の小説を、「男はつらいよ」シリーズなどを手掛けてきた山田洋次監督が映画化した「武士の一分」。役目のために失明した下級武士を支える妻と、一分を通すために復讐に挑む武士の姿を描く。
主役の武士・新之丞役を木村拓哉が、妻の加世役を檀れいが演じたことでも話題になり、その他にも笹野高史や桃井かおり、緒形拳さんなど実力派俳優が出演。第30回日本アカデミー賞では、優秀賞最多13部門ほか各賞を受賞した。
本作の製作にあたり、「優しい愛妻物語であり、白刃閃く復讐譚でもありますが、この映画を通して、僕たちは江戸時代の地方の藩で静かに生きていた先祖たちの姿を敬意を込めて描く、ということをしたい」と語っていた山田監督。その言葉通り、歴史上の人物として教科書などに取り上げられることはない新之丞のような人物にスポットを当て、より歴史背景に対するリスペクトが感じられる内容に仕上がっている。
盲目の武士役に挑む木村拓哉と、映画初出演となる檀れいの演技に注目
本作では、夫婦を演じた木村と檀の演技に注目したい。木村が演じた新之丞は、盲目の下級武士という難しい役どころだ。原作は新之丞の視点で描かれており、彼が耳にしたことや気配などの描写で作品が成り立っている一方で、劇中では客観的に見た新之丞を演じる必要があった。木村はそんな役柄を、誰が見ても盲目に見えるよう、目線の運び方や仕草などで表現。それに加え、快活なセリフ回しや剣道経験を活かした抜群のキレを誇る殺陣シーンも相まって、木村だけの新之丞像を作り出している。
そして、妻の加世役を務めた檀れいは、本作で銀幕デビュー。もともと宝塚歌劇団で舞台女優として活躍していた檀は、映画の撮影現場に始めは戸惑ったそうだが、華麗で新鮮な姿を見せ、夫を愛する妻役を堂々と演じている。そんな2人が日常生活で交わすユーモラスなやり取りや、些細な食事シーンなども見どころの一つとなっている。
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