12月29日(日)に木村拓哉主演のスペシャルドラマ「グランメゾン東京」(夜9:00、TBS系)が放送される。本作は、2019年10月期に放送された日曜劇場「グランメゾン東京」の完全新作スペシャルドラマで、連続ドラマに引き続き脚本は黒岩勉、演出は塚原あゆ子が担当。型破りなシェフ・尾花夏樹を演じる木村を筆頭に、個性豊かな“チームグラメ”が集結し、再び躍動する。
このたび、WEBザテレビジョンでは木村にインタビューを実施。スペシャルドラマの制作が決定した際の心境や、調理シーンの撮影秘話などについてたっぷりと語ってくれた。
熱い要望を受け“チームグラメ”が約5年ぶりに再集結!
ドラマ放送時は大きな話題を呼び、最終回では尾花が世界に挑もうとしているシーンで締めくくられ、続編を望む声が多く寄せられていた。そんな熱い要望を受け、キャスト・スタッフは再集結しようとしていたが、ドラマ放送後から新型コロナウイルスが世界にまん延。本来であればもう少し早い再集結となるはずだったが、ついに、撮りおろしの新作スペシャルドラマが放送される。
本作で描かれるのは、「グランメゾン東京」が三つ星を獲得したあとのストーリー。木村の他、同ドラマには「グランメゾン東京」のシェフ・早見倫子役の鈴木京香、スーシェフ・平古祥平役の玉森裕太(Kis-My-Ft2)、相沢瓶人役の及川光博、そしてギャルソンを務める京野陸太郎役の沢村一樹らが出演。
また、パリで尾花らとともに働いていた過去を持つ「メイユール京都」のシェフを窪田正孝、グランメゾン東京と資本提携している「NEX マネジメント」の代表取締役を北村一輝が演じるなど、主演級キャストが作品に強力な“スパイス”を加える。
さらに、尾花がフランス・パリで三つ星に挑む映画「グランメゾン・パリ」は12月30日(月)に公開予定。映画版の新キャストとして、オク・テギョンと正門良規(Aぇ! group)が出演し、ストーリーを盛り上げる。
飲食業界を描いた作品だからこそ盛り込んだ、“コロナ”という現実
――スペシャルドラマが決定したと聞いた時の率直な感想を教えてください。
お話を伺った時は非常にうれしかったです。あのパンデミック(新型コロナウイルス)さえなければ、もっと早いタイミングで会うことができたのかなとは思っています。ですが、あの時間はたしかに実在していましたし、非常にやりたかったけど、やれる状況ではなかったというのが、きっと正直なところなのかなと。
基本的にはフィクションでやらせていただいているんですけど、このタイミングで、(スペシャルドラマ制作の話を)もう一度立ち上げるのであれば、実在したその時間(コロナ禍)はなかったことにしたらいけないんじゃないかなと思ったんです。
お店を閉じざるを得なかった方もたくさんいるだろうし、そういう選択を強いられてしまった方たちに対しても、フィクションということを理由に、すっ飛ばして描くのはいやだなと。
プロデューサーの伊與田(英徳)さんと話をした時にも素直な思いをお伝えして、スペシャルドラマの台本にも新型コロナウイルスの影響で飲食業界が大きな打撃を受けたという事実を盛り込ませていただきました。
――なぜ、コロナ禍の飲食業界を描くことにこだわったのでしょうか?
飲食店は、料理を作って、それをお客様に食べていただく。サービス業としてはそこで終わりですが、どなたかに喜んでもらうために、すてきな時間を過ごしていただくために料理を作る飲食店と、“すごくすてきな時間だった”と思って帰ってくださるお客様がいる。
“お店”と“お客様”という関係性かもしれないけれど、料理を考え作り、提供し、食べていただくというのは究極のコミュニケーションじゃないですか。
そのコミュニケーションがとりたくてもとれなかった事実は、ドラマのいち出演者としても、すごく重要なことなんじゃないかなと思いましたし、描くのは飲食業界のお話なので、そこを避けて通るのは違うのかなと。他のジャンルの作品であれば、きっとコロナ禍を描く必要はないと思うのですが、やっぱり飲食業界を描く上では必要なのかなと思ったんです。
――スペシャルドラマではどういったことを大切に演じましたか?
尾花は人に対するコミュニケーション能力が高い方ではないので、自分でも脚本を読んでいて“またそっち通っていくんだ”という思いはありました(笑)。でも、そっちを通っていくから、結果面白いのかという部分もあって。
倫子さんは倫子さんで、コロナ禍を過ごし、お店を守ったんだなと。でも、守ったからこそ失ったものもあると思うんです。
(連続ドラマから)実質5年弱という時間が経過していますけど、この人たちも各々の時間をしっかり生きてきた人たちなんだろうなというのは脚本を読んでいて感じました。ですが、現場でお会いしたときに過ぎた時間の“隙間”は一切感じなかったです。
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