「直虎」六角精児が明かす“戦国時代の居酒屋放浪”のススメ
六角精児が柴咲コウ主演の大河ドラマ「おんな城主 直虎」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)に出演中。
六角は本多正信こと通称・ノブを演じている。三河一向一揆で徳川家康(阿部サダヲ)を裏切り、10年以上の流浪の生活を送っていたと伝わる正信。その後、家康に許され参謀として重宝されたという。そんな謎も多い人物を演じている感想を六角に聞いた。
――ノブという人物の印象を教えてください。
力を使わずに柔を持ってして、物事を解決していったような、強いという武将のイメージとはかけ離れた人物ですね。柔軟性を持った人物が必要となった時代だったんでしょう。そういう人物を重宝したという家康もまた、柔を受け入れることができる立派な人物だったんでしょうね。
――どうやって柔軟な発想を持った武将になったと思われますか?
一回、徳川家を離れ、放浪の旅の後に戻ってきたという人物ですから、その間にいろいろな苦労や経験を積んで、深い見解や見識を身に付けていったんでしょうね。一風変わった武将を演じさせていただけているのは、非常に光栄です。
――裏切った家康から許されたノブの心境について、どのように考えていますか?
裏切った後悔のある人間が許されたら、許してくれた人間のことをとても大きな存在として感じると思うんですよ。だからノブは家康に対して、自分の命以上の存在として考え仕えていくという気持ちになったでしょうね。許される安堵(あんど)感というか、ありがたさって僕も分かるんですよ。今までいろいろなことをやってきて、許されて生きてきたみたいなところがありますから(笑)。
――草履番として仕える万千代(菅田将暉)、万福(井之脇海)と共に働くノブの姿が印象的ですが?
演じていて楽しいですね。考えたら親子ほど年が離れているんですが、同級生のようにシーンを演じていました。万千代はノブのだらしなさに“イライラ”するわけです。年上の僕が、駄目だと思われる感じが何だか心地よかったですね(笑)。
それに、若くても多くの経験を積まれている2人ですから、緩い性格の僕なんか年下の彼らに引っ張ってもらいながら演じていました(笑)。
――草履番という仕事についてはどういった印象をお持ちですか?
どの人にどのように草履を渡すかという決まりもあるでしょうし、大変な仕事なんだと思いますよ。地位のある仕事ではないのかもしれませんけれど、草履の脱ぎ方や歩き方で人物を見抜けることもあるかもしれません。これを突き詰めた先には人間を見る力にたけた存在となりえたのかもしれませんね。
――家康役の阿部サダヲさんの印象を教えてください。
言葉を交わしたことはあまりないんですが、この物語における徳川家康像をご自身の中でしっかりと把握している、役の捉え方が正確な素晴らしい俳優さんですよね。
――最後に、かつては徳川を裏切り流浪の生活をしていたノブですが、そんな中、居酒屋などを訪れていたとしたらどんな所を選んでいたと思いますか?
たぶん、ノブは川べりか海べりを旅しながら飲んでいたと思いますよ。新鮮な魚が取れたでしょうから。僕なら水辺に近い飲み屋さんを選びますね(笑)。