人気声優・石川由依が主演を務める「音楽劇ヨルハVer1.2」。インタビュー後半では舞台の見どころの他、石川にとって舞台の存在はどういうものか、芝居についての思いを聞いた。
「音楽劇ヨルハVer1.2」は今回で再々演を数える「ヨルハ」シリーズの人気舞台で、2月13日まで東京・THEATRE1010にて上演。公演内容はBlu-rayビデオに収録されることも決定している。
【「音楽劇ヨルハVer1.2」で人気声優・石川由依がヨルハ二号に。歌、音楽、殺陣、“絶対領域”も大注目! より続く】
背中で引っ張る座長・石川。お菓子と写真の楽しい女子カンパニー
――二号を含めヨルハ部隊はアンドロイド兵士ですが、芝居の上で“らしさ”は意識されているんですか?
そこは最初、私もどうするのがいいのか考えていたところです。でも、ヨルハ講習会を開いていただいて、すっきり解決できました。
――講習会ですか?
色々難しい言葉も出てくるし、キャストには「ヨルハ」の世界に詳しい人もいれば、まだ飲み込めていない人もいるということで、「ヨルハ」のことを学ぶ講習会を開いてくださったんです。その中でキャストから「アンドロイドっぽさのある動きは必要ですか?」という質問が出たんですが、そこは作らずに大丈夫ということだったんですね。なので、シャキッとしなきゃっていうのはあるんですけど、特別アンドロイドらしい動きというのは意識していません。
遥か未来の文明のお話で、そこで造られたヨルハは、肌は柔らかいし、温かったりするぐらい人間に近いアンドロイドなんですね。だから“人間らしいアンドロイド”という私なりの解釈で役作りをしています。
――カンパニーの雰囲気はいかがですか? 共演者全員が女の子ですが。
私はすごく楽しいです。「みんな女の子ってどんな雰囲気なんだろう?」って、ドキドキとワクワクだったんですが、休憩中はみんなでお菓子を食べたり、写真を撮ったりで、稽古場に来るだけで楽しいと思えるカンパニーですね。
皆さん、ブログやTwitterをされているじゃないですか。どんな子たちなのかなって、会う前に見ていたんですけど、実際にあったらTwitterとかで見ていた以上に魅力的な人たちでした。話すとすごく面白いし、こう言ったら何ですけど、役者を離れた素のみんなはもっと可愛いんですよ。演じている姿は格好良くて、素はとても可愛い。そんな仲間たちで一生懸命作った舞台です。
――石川さんにとっては座長公演ですが、座長として心掛けている事はありますか?
そう! 私、座長なんですよね。言われて初めて思いました(笑)。座長と言われても特に何もできてなくて、私で大丈夫かなっていう気持ちばかりです。そういった意味でも私はどちらかというと二号と似たような性格で、あまり先頭に立って仲間を引っ張るタイプじゃないんですよね。だから精一杯のお芝居をして、背中で引っ張っていければいいなって。
――気負いはない感じですね
みんなが助けてくれるから気負わずにいられる感じです。私も舞台は4年ぶりなので、感覚を取り戻しつつ、みんなに負けないようにという気持ちで頑張りました。
――殺陣も迫力ですね。
殺陣はすごいですよ。私とれいなちゃん(田中れいな)は刀を使うので、そのアクションは絶対見逃さないでほしいです。2人とも本格的な殺陣は初めてなので、必死に稽古しています。普段の生活で刀なんて振らないので、最初は殺陣稽古の翌日はとにかく筋肉痛がひどくて大変でした。
さっきは人間らしくと言いましたけど、力はアンドロイドなので、殺陣はビシッと決めなければいけない。特にゲームを見られている方はそういうアクションを思い描いているだろうし、がっかりされないものをお見せしないといけませんから。「格好良い」と言ってもらえていたら嬉しいです。
舞台は自分が自分であるための原点。大好きな場所
――しばらく声優業に専念していたようですが、石川さんにとって舞台とはどういうものですか?
私は8歳で初舞台を踏んで、それから毎年、夏休みは舞台という環境でやってきました。舞台は私の原点であり、とても大好きな場所です。今はありがたいことに声のお仕事もたくさん頂いているんですが、声のお仕事は毎週決まった時間にアフレコが入り、イベントなども多いので、稽古と本番で1カ月以上が埋まる舞台との両立がなかなか難しいんですね。今回の「ヨルハ」をきっかけに、今後は何とか両立できるようにしていきたいです。声のお仕事をするにあたっても、舞台の経験はすごく役に立ちますから。
――女優業と声優業、お互いが還元されるポイントはどこにありますか?
アニメは二次元の絵ですが、声を乗せていくには立体的な芝居をイメージすることが大切だと思っています。感情だけを乗せるのと、キャラクターの動きや息遣いも分かった上で演じるのは全然違うことだと感じています。ただ、4年間本当に声のお仕事に集中していたので、マイク前で喋るというのが自分の中で当たり前になってしまっていたところがあります。
舞台は目をつむって楽しんでもらうものではないので、ちゃんと自分あっての二号になるように、声だけの芝居にならないようにと、そこはすごく気を付けています。舞台の仕事と声優の仕事、どちらにも力を入れて、自分の表現力を高めていきたいと思っています。
――ちょうど今、石川さん主演の「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」(毎週水曜夜0:00-0:30、TOKYO MXほか)が放送中ですね。
そうなんです。こちらはTVアニメ初主演で。楽しんで見ていただけると嬉しいです。「ヨルハ」で私の声が気になったという方がいたら、ぜひ見てみてください。
――最後に、今後の目標を教えてください。
さっきと同じなになってしまうんですけど、舞台と声優の両立をできるようにというのが今の目標であり、課題だと思っています。お芝居というのは自分の人生の中から切り離せないもので、人見知りで大人しい性格の自分が色々な表現を表に出し、自分でない姿になれるのはすべてお芝居のおかげです。一生、お芝居をする環境にいられたらいいなと思いますし、そのためには日々のお仕事に全力で当たることだと思っています。今回の「ヨルハ」だけでなく、全てのお仕事で皆さんを楽しませられる役者に成長したいです。
文:鈴木康道
上演期間:2月13日(火)まで
会場:THEATRE1010(東京・北千住)
Blu-ray後日発売。詳細は後日、HPで発表
【HP】yorha.com
■「ニコニコ生放送」2月12日18時に開演された舞台をタイムシフトで視聴可能
【HP】https://secure.live.nicovideo.jp/product/4147
■舞台「ヨルハ」公式Twitter
【Twitter】@YoRHa_STAGE
■石川由依オフィシャルブログ
【HP】https://ameblo.jp/ishikawa-yui/
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