ファンへのメッセージ・スランプについて
この日のトークでは、ファンに募った質問に答える趣向も用意された。
繰り返し読んだ本を尋ねるものや、小説「家庭教室」に登場する料理店・レストランのモデルを明かしてとお願いするものの他、「スランプ時の対処法」を聞く質問もあった。これを受けて伊東歌詞太郎は、自身の思いを語り始めた。
「僕は曲作りをしていて、その作業にはめちゃめちゃ波がある。1日で1曲出来ることもあれば、全然出来ない時もある。それを繰り返しているんですね。
今年はまだ1曲2曲しか作れていないんです。言うなればこれはスランプ。けど、僕はスランプが全然怖くない。なぜかというと、スランプの理由が分かっているから。
僕が世の中に出すのは、自分の『これはいいぞ』という基準を超えたもの。基準を超えた作品だけをみなさんに提供しているわけです。
これを続けていくと、自分の実力は上がっていく。すると今まで通りだとその基準に届かないんですよ。だから曲が完成しない。それは自分のスランプだと思うんですね。
つまり、スランプというのは、レベルアップの前ということ。自分の人生を振り返っても、スランプを抜けた後は、それまでと全然違う、もっと良いものが出来ている。
誰しもスランプ中はやっぱりつらいもの。今までうまくいっていたことがうまくいかないんだから。そこで人はくじけるもの。だけどそこでやめないでほしい。やめないでスランプを抜けた先では、今までと全然違ったものが作れるようになる。
スランプというのは、レベルアップ直前の期間なんです。足踏みを続けてほしいと思う。きついなと思いながら、頑張ってほしい」
会場にはいないファンまでも含めて励ますかのように丁寧に熱く語る言葉は、ファンの胸にしっかりと届いたに違いない。サイン会の中で、受け止めた思いを伝えようと一生懸命に語り掛けるファンの視線と言葉は強く印象に残った。
著者:伊東歌詞太郎
定価(本体1,300円+税)
発売日:2018年5月16日
発行:KADOKAWA
<伊東歌詞太郎(いとう・かしたろう)>
抜群の歌唱力を武器に、動画投稿サイトの「歌ってみた」カテゴリで人気を拡大。2012年1月の動画初投稿から1年足らずで投稿動画の総再生数は1,100 万回に到達する。2014年1stアルバム『一意専心』でメジャーデビュー。続く2015年発売の2ndアルバム『二律背反』も好セールスを記録する。2017年、10曲全て自身作詞作曲による3rdアルバム『二天一流』をリリース。
【伊東歌詞太郎ワンマンライブ「HAPPY REBIRTHDAY」】
公演日:2018年7月25日(水)
会場:TSUTAYA O-EAST
開場:18:00 / 開演:19:00
チケット一般発売:6月23日(土)
オールスタンディング:前売り 4,500円(別途ドリンク代)
※詳細はオフィシャルサイトで
http://kashitaro.com/