“ラストチャンス”で椎名桔平が考えることとは
ーー宮内はどんな人物像で演じられたのでしょうか。
樫村はまっすぐで熱い男なので、まずはかぶらないキャラクターでいようというのが第一でした。
宮内は樫村の味方なのか何なのか、あえて分かりにくい人物を、周囲のキャラクターも見ながら、足したり引いたりして演じています。
ーー今回の作品タイトルは“ラストチャンス”ですが、椎名さんにとってラストチャンスだと思った出来事はありますか?
いっぱいありますよ。20代半ばを過ぎて、周りが社会人になって一人前に仕事を覚えていて、部下とか後輩も増えてきて…そういう時に自分は何も変わっていない焦りはありました。
俳優として売れるかどうかも分からないし、どこかで踏ん切りをつけることも考えるんですよね。僕はそう思い始めた頃に、たまたま映画の役をいただけて、撮影中も毎日、これがラストチャンスだと思っていました。100%じゃ追いつかないから、150%、200%…これが最後だから、ここで何とかしないと、と。その後もまた次の夢とか目標ができて、いつもラストチャンスですよ。そう思って臨むからこそ、次に繋がるんじゃないかなと思います。
ーー最後にドラマを楽しみにしている視聴者へ向けてメッセージをお願いします。
組織の中で、立場のある人達が諦めたり、夢を持ったり、前に進んだり…彼らが切磋琢磨して、どう生きているのか、その様を見てほしいですね。同世代の人へエールになればいいですし、身動きが取りにくい人に寄り添った、勇気を与える作品になるといいなと思います。