百川晴香「新しい自分を出すのは楽しみ」
――台本を初めて読んだときの感想を教えてください。
百川:ホラーだけどストーリーもしっかりしているというか、人間関係を描いた部分もありますよね。私は驚かせる役でもないし、かといって怖がる役でもないし、すごく難しい位置にいる役なので、そこはすごく難しそうって思いました。
おばけでもないし、元気な人間でもない。「どうしよう」って戸惑いはすごくありました。そういう人は周りにいないので(笑)。想像をたくさんして、頭の中で考えて役を作り上げていった部分は大きいです。
――これまでに看護師の役は?
百川:初めてです。夜に廊下を歩くと、看護師さんは大変だなって思いましたね。これを日常でやられているわけですから。
山田:姿勢とか、ふいに出る自分を押し殺すというか。あとは女性らしいというイメージがありますね。
百川:ヘラヘラはしていられないですよね。人の命にかかわるお仕事なので、「こんな看護師じゃ」って思われちゃうので。
――岬がご自身と似ていると感じる部分はありますか?
百川:人に対してさばさばしているところはあるので、情はあるけど深入りし過ぎないとか、そういうところは似ているかもしれないです。あと、テンションも普段は暗い時が多いんですよ。落ち着いているとか言われることもあるんですけど、そういう部分を皆さんの前で出すというのは、新しいのかなって思います。戸惑いはなく、楽しみだなって思っていました。
山田:最初に(台本を)読んだ時は、(演技が)初めてなので「どうしたらいいんやろう?」っていう困惑がありました。でも、読んでいくうちに「ここでこうしたらいいんかな」とか、自分で考えてみたり、いろいろな方に相談させていただいたりして、自分の中でも「この時はこうかな」っていうのがちょっとずつ見えてきた部分はありました。
ただ、それが撮影中に出せるかとなると、人見知りでもあるので、なかなか難しくて…。
――山田さんは標準語で演技されていますね。
山田:(普段は)関西弁なので、方言のことに関してはすごく注意されました。(方言で)NGもたくさんありました。なので、百川さんに教えていただいて。
百川:いやいや(笑)。
――やはり、難しいのはイントネーションですか?
山田:そう、イントネーションが…、“イントネーション”ってこれがもう違うと思うんですけど(笑)。
一同:ははは(笑)。
百川:でも、そこは楽しかったです。暗いシーンなんですけど、「あ、いけた!」みたいな(笑)。
山田:空気が一変する感じになっちゃって(笑)。私もそれで緊張が和らいだかなって思います。
――では、撮影現場は明るかったんですね。
二人:楽しかった~。
山田:最初は人見知りが出てしまって話せなかったんですけど、ちょっとずつね。撮影の時は寒かったんですけど、一緒に毛布に入ってぬくぬくしたり、そうやって仲良くなっていきました。
8月4日(土)渋谷ユーロスペース他、順次公開予定
出演=山田菜々美(AKB48)
百川晴香、佐伯香織、若松優、河合美咲
馬場・場番/広瀬真寿美/伊達さん
主題歌=「マスカレイド」新田恵海(BUSHIROAD MUSIC)
原作=黒木あるじ「黒看」(「怪談実話 傑作選“弔”」竹書房刊)
監督=山田雅史
脚本=辻野正樹、山田雅史
公式サイト=http://kiguu-cinema.mods.jp/kurokan/
(C)2018黒木あるじ/『黒看』製作委員会
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