主演男優賞は田中圭! 続編の鍵は貴島Pのゴーサインと『好きになった気持ちのその先』【ドラマアカデミー賞】
――Twitterの公式アカウントがフォロワー数20万人を超え、Instagramの“裏アカウント”「武蔵の部屋」は50万人(最大時)を超えました。田中さんはどのあたりで作品のブレイクを実感しましたか?
第3話、第4話ぐらいで「大反響ですね」と言われるようになりました。取材の件数もどっと増えましたね。「でも、純愛ドラマとしての本章って第5話から第7話なんだけどなぁ」と逆に不安に…。コミカルなシーンの多い第4話までは壮大な前振りと思っていたので、「第5話から急にコケるんじゃないか」とドキドキしていました(笑)。反響が大きいと聞くと、期待されている以上、それを裏切りたくないという思いが現場にも強くありました。それはすごく貴重な体験でした。
――第5話で春田と牧(林遣都)が付き合うことになり、第6話では2人が別れてしまうという切ない展開で、さらにそのあと春田が部長と同棲するという急展開は、視聴者を驚かせました。
そこが狙い通り過ぎて、その1週間はエゴサーチしていました(笑)。そのまま部長と結ばれると思っている人が予想より多くて、驚きでした。部長がヒロインと置かれていることやキャラ設定を考えて、そう混乱してしまうのかもしれないけれど、ストーリーを素直に見ていると、絶対に牧とのハッピーエンドだと思えるはずなんだけど…。僕は、春田は第1話で出会ったときから牧のことを好きだったと思っていたので、最終話の台本を読む前からそこは疑っていませんでした。今、思い返しても、あの1週間はものすごく面白かった。みなさんに早く第7話(最終話)を見てほしいと思いました。
――第7話、春田から牧へのプロポーズは感動的でした。これまでずっと流されるままだった春田でしたが、最後に成長したのでしょうか?
春田は基本みんなのことが好きなんです。部長も牧もちず(内田理央)も、麻呂(金子大地)も武川さん(眞島秀和)も、マイマイ(伊藤修子)も鉄平兄(児嶋一哉)も全員が好き。そんなたくさんの好きと向き合ったり、好きって気持ちを人からもらったりして、相手と向き合っていくドラマだったと思います。ただ、最後に、「いっぱい牧が好き」と気付いた。そういう不確かな好きを確かなものに変えようとして、その気持ちから逃げないと決めたところは成長なのかな。正直、そんなには成長していない気もするけれど(笑)。本当に人が人を好きになること。それだけに特化したドラマという気が僕はしています。