「西郷どん」プロデューサーが語る“革命編”の見どころ【テレビの開拓者たち・櫻井賢】
逆境に置かれた人たちが時代を転覆させていく痛快さを味わっていただけたら
──そして物語はいよいよ“革命編”に突入しました。
「“革命編”から新たに登場している人物は、みんな西郷さんと同じく、いわば“干されていた人”たちなんですよ。そんな逆境に置かれた人たちが、やがて時代を転覆させていくという痛快さを味わっていただけたらと思いますね。
幕末のヒーローを演じる役者さんたちには、すごい布陣が実現しました。岩倉具視役の笑福亭鶴瓶師匠は、待ち時間は前室でずっと雑談してるんですが(笑)、瞬発力のある方で、本番ではバシッとキメてくれます。エンケン(遠藤憲一)さん演じる勝海舟は、べらんめえ口調がドキッとするほどカッコいい。小栗旬さんの坂本龍馬は、とにかくオーラがすごいですね。そして桂小五郎に扮する玉山鉄二さんは、目力やたたずまいが本当に時代劇に合うなと思います。今までは長州についてあまり描いていなかったんですが、玉山さんは、長州を背負った緊張感を持って桂小五郎を演じてくれていると思います」
──長州と言えば、第27話(7月22日放送)に、長州藩士の来島又兵衛役でプロレスラーの長州力さんが出演したことも話題になりました。
「そもそもはディレクターの発案なんですが、長州藩ゆかりの山口県のご出身で“革命戦士”と謳われた長州力さんに、来島又兵衛を演じていただけたことは夢のような話で。戦闘シーンの“リキラリアット”…もちろん当時はラリアットなんて言葉はないんですけど(笑)、長州さんが敵をなぎ倒すシーンでは、受ける側はスタントマンの方にお願いしました。リキラリアットを素人にかけるわけにはいかないですからね(笑)」