山田孝之&菅田将暉「dele」圭司の“意外な”設定も!変化を内包するユニークな世界観のウラガワ
変化するキャラクターのウラガワ
2人が働く「dele.LIFE」には、キャラクターのリアリティーを裏付けるディテールが詰まっている。
例えば、事務所内に置かれたバスケットボールやバレーボールなど。「それは原案・脚本の本多孝好さんが初期の圭司のキャラクターコンセプトからこだわっていらっしゃった部分です。圭司は車いす生活を送っているけれど、上半身でバスケットボールやバレーボールなどで鍛えている。それは、車椅子ユーザーでありながら圭司ならではのキャラクター表現として本多さんが考えられた部分で大切なディテールだと思っています。」(山田P)。
ハッキングの知識も持つ圭司だが、事務所にあるのはデスクトップ1台とノートパソコン1台だけで、サーバーもなく非常にシンプル。シンプルなものを好む圭司のキャラクターが投影されている。なお、こうしたデジタルの領域に関してはプログラミングの専門家に監修を仰ぎ、使用する機器から画面に現れるプログラミング言語に至るまで、技術的な正しさも追求している。
番組がスタートした段階ではほとんど分からなかった圭司と祐太郎の人となりやバックグラウンドが少しずつ明かされていくのだが、それらがあらかじめセットなどの背景に"仕込まれて"いるのだ。これは、プロダクションデザインによって体系的に世界観を作り上げるという作業の賜物だろう。
また、ともすればキャラクターをブレさせかねない"新設定"がでてきても、見る側に違和感なくスッと入ってくるように感じる。第2話で、好きな音楽があることが発覚した圭司だが、第4話では、かつて子供の時に超能力少年にあこがれた過去を持つことも明かされた。
圭司が真剣にスプーン曲げに挑戦する場面、スプーン曲げにうっかり成功してしまった祐太郎に圭司が「おい!インチキしたろ!」とムキになる場面は、SNSで「圭司かわいい!萌える」「圭司の意外な一面!こういうの好き」といった声が上がるなど、視聴者を楽しませた。
「スプーン曲げのシーンは、どちらも撮影中、スタッフたちも笑顔になりました。4話のようなキャラクターに変化がある回はとても難しいと思うのですが、山田孝之さんが深くキャラクターをつかんでくださっているし、素晴らしい表現力をお持ちなので、全部見事に成立させてくださった。『あ、なるほど!圭司ってこうなるんだ』というのは、見ていて全員が楽しかったと思います。とくに第4話は圭司の幅、キャラクターの変化が見られた回だと思いますし、祐太郎をおんぶして林に入っていくところで2人の仲が深まっていくというところでもあったと思います。圭司の生きたキャラクターとしての意外な一面が垣間見えることでより深く理解してもらえる回になっていればよいなと思っております。」と山田Pは振り返る。