「忘れ物ないかい?」「うん、ないよ~」
帰省して帰京する際に交わすうちの祖母との定番のやりとりだ。
でも、忘れ物というのはその時にはないことに気付かないから結果的に「忘れ物」として存在するわけで…。
ないという言葉とは裏腹にペンだったり、メモ帳だったり、ICレコーダーだったり、ノートPCだったり、忘れて送ってもらうことがしばしば。
って、商売道具を忘れ過ぎだろ。
忘れたことに気付いていない時は何も思わないのに、忘れてしまったことに気付いた途端、何とも胸糞悪い後悔の念にさいなまれる。
そんな日々の忘れ物とはレベルが違う、“20世紀最後の未解決事件”の解決という大きな忘れ物を取りにいこうと刑事たちが奔走するのが東山紀之主演のあのドラマの最終回だ。
各局で放送されているドラマやバラエティー、アニメなどを事前に完成DVDを見て、独断と偏見とジョークに満ちたレビューで番組の魅力を紹介する、WEBサイト・ザテレビジョン流「試写室」。
今回は、7月クールの連続ドラマで平均視聴率ベスト3入りが濃厚な9月12日(水)放送のドラマ「刑事7人」(夜9:00-10:09、テレビ朝日系)を取り上げる。
15分の拡大版として放送される最終回では、これまで数々の未解決事件に立ち向かってきた東山演じる主人公・天樹悠ら“専従捜査班”の7人が20世紀最後の日に取り残されたある因縁の事件に挑む。
20世紀が終わろうとしていた2000年12月31日に起きた「九頭竜商店殺人事件」は、当時タバコ屋店主だった中澤皐月(鷲尾真知子)が、「右頬に大きな青いアザがある男を見た」と“うその証言”をしたことによって、誤認逮捕が生まれ、そのまま事件は迷宮入りとなっていた。
ある日、海老沢(田辺誠一)が捜査にあたり、すでに犯人も逮捕されていた資産家殺人事件について、交番に「犯人は別にいる」と女性が証言しにやってくる。
その女性の正体は、18年前にうその証言をした皐月で、さらに“右の頬に大きな青いアザがある男”だと訴える。
犯人がすでに捕まっていることから、対応にあたった野々村拓海(白洲迅)は皐月を帰らせるが、そのことを聞いた片桐(吉田鋼太郎)は「俺はその女を、ずっと探してたんだ…!」と言い、皐月のもとへと向かう。
しかし皐月は路上で倒れ病院に緊急搬送されてしまい…というストーリーだ。
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