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紙のウサギとリスのゆる~いアニメ「紙兎ロペ」は大学生の会話がヒント!?

2010/09/12 15:45

「GiftMovie」には才能=Giftを発表すると言う意味も。二人の“Gift”を劇場でチェック!
「GiftMovie」には才能=Giftを発表すると言う意味も。二人の“Gift”を劇場でチェック!

全国のTOHOシネマズで映画本編が始まる前に上映されるショートムービー企画「GIFT MOVIE」では第一弾作品「紙兎ロペ」を上映中(公式サイトでも視聴可)。ウサギのロペとリスのアキラ先輩が映画館に行く途中で脱力系な会話劇を繰り広げる、2分30秒のショートアニメーションだ。

“うぃっす”、“マジっすか”などの若者言葉を独特な間で会話に取り込み、クスリと笑わせる本作は、東京工芸大学芸術学部映像学科の助手を務める内山勇士氏と、フラッシュアニメの第一人者として知られるクリエイターの青池良輔氏のコラボレーション作品だ。二人に本作のプロジェクトについて聞いた。

―ロペとアキラ先輩のキャラクターがかわいらしく、どんな方が作者なのかと思ったら案外マジメな方が作っていて驚きました。内山さんは普段はどんな仕事をしているのですか?

内山「今は大学で映像作品の作り方を教えています。教える立場ではありますが、自分で制作もしているんです。何かを作っていないと、学生と同じスタンスでいられませんから」

―「紙兎ロペ」を作ることになったいきさつは?

内山「僕の作品を見てくれていたプロデューサーの方から『GIFT MOVIE』という企画があると声を掛けていただいて、青池さんのことも紹介していただきました」

青池「僕は内山さんが大学院生の時に作った処女作『アルツハイム』を見たことがあって、『ああ、あの人か』とすぐ分かりました。どこか変態的なところがある作品だったので、これはすごい人が出て来たなと思っていましたね」

内山「ありがとうございます(笑)」

―本作では脚本・監督・キャラクターデザインを内山さんが担当していますが、どのように制作していったのですか?

内山「自分の作品は会話劇が基本。普段、学生たちに囲まれているおかげで若者たちの日常会話には困らないんです。大学で彼らと会話しながらネタを頂いています」

青池「僕は外国生活が長かったので、久々に若者言葉を聞いて何を言ってるのか分からないところも(笑)。ただ、言葉は荒いけど下品ではないですよ。どこかオシャレでシュっとした感じもあります」

内山「うちの学生、シュッとしてるんですかね(笑)。そうした会話劇を際立たせるためにキャラクターも動きも複雑にしない方がいい。のっぺりした紙のキャラクターやフラッシュという手法も、見ている人に動きが伝わりやすいだろうと選択しました」

青池「僕は内山さんの絵に動きをつけるんですが、シンプルな会話劇だからこそ動きをどこまで単純にするかが難しかったですね。最終的には、ロペに腕組みをさせた時に首と肩を上下に動かすと若者っぽい“うぃっす”感が出たんです。キャラクターデザインとしては、首と頭を止めている鋲(びょう)の存在を無視した“ルール違反”な動きなんですが、ルールを無視したときに『これだ』と思えました。あとは背景をすごく描き込んでネタもいっぱい仕込んだんですが、見切れたりつぶれたりして見えなくなってしまいました(笑)」

―会話の面白さは“お笑い”にも通ずるかと思うのですが、内山さんはお笑いは好きですか?

内山「好きですね、テレビもよく見ます。特に、中高生の時に『ごっつええ感じ』をリアルタイムで見られたことは自分にとってとても大きかったです。松本人志さんのすごく間を空けたしゃべり方、静かな中で繰り広げられる笑いが好きで、モロに今のスタイルに影響していると思います」

―青池さんもお笑いは好きですか?

青池「僕は最近だと野性爆弾が面白いと思ってます」

―シュールさが本作と通ずるところがありますね。さて今後の“ロペ”は、著名人などいろんな方をゲスト声優に迎えてセカンドシーズンも展開されるとのことですが、野望などはありますか?

内山「『長編を3Dで作るぞ』とプロデューサーによく言われるんですが、今のゆるいノリは忘れずにいきたいです。もしやるなら“アルマゲドン”みたいな状況下でロペとアキラ先輩が相変わらず駄菓子屋でクジ引いちゃうような、くだらない展開がいいですね」

青池「DVDも発売中です。このゆるさは部屋でBGM代わりに流しておくのにピッタリ。お友達へのプレゼントにもおすすめです!」

―また、いつも学生に触れていらっしゃるということで、映像業界を目指す方へのメッセージも頂ければと。

内山「例えば新しい技術を使って何かやりたいと言う学生もいるんです。でも基本的にはやはりお話が面白くないと残らないと思います。技術は技術ですから。それと、学生にいつも言っていることは、どんどん外に出て人に会うようにということ。自分の目で見て、体で感じることを大事にしてほしいと思います」

青池「内山先生、超いい話してますよ。ちゃんと作品を作ろうと思っている人は、時間を無駄にせずとにかくオリジナル作品を作って、人に見せるしかないです。そうしている内に、偉い人からメールが来ます(笑)」

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

<メインスタッフ> ◎監督・脚本・キャラクターデザイン:内山勇士 ◎アニメーション制作・演出協力:青池良輔 ◎企画・プロデュース:日下部雅謹 ◎製作:ROBOT (c)紙兎ロぺプロジェクト 2009-2010

DVD「紙兎ロペ」
全国のTOHOシネマズ劇場にて販売中 2940円
発売元:ロボット

公式サイト http://www.giftmovie.jp
Youtubeチャンネル http://www.youtube.com/user/GiftMovieROBOT

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