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佐藤健が“若手有望株のひとり”から脱却したターニングポイントは?<てれびのスキマ>

2018/12/02 11:00

佐藤健
佐藤健 2018年ザテレビジョン撮影

誤解を恐れずに言えば、佐藤健は最初からスゴかった


彼がデビュー1年目に主演したのが「仮面ライダー電王」(2007〜2008年テレビ朝日系)だ。この「平成仮面ライダーシリーズ」は「スーパー戦隊シリーズ」と並び、新人俳優の登竜門的存在。

それ故に、第1話と最終回とでは、ライダーや戦隊を演じる役者が格段に成長しているというのが大きな魅力だ。だから、正直言って第1話の主人公の演技は見ていられないと思えるようなレベルのことも少なくない。

けれど、佐藤健は違っていた。これらのシリーズの主演としては段違いにうまかったのだ。しかも、「電王」の主人公は基本的に気弱という設定ながら、「イマジン」が憑依するとその性格が激変する。いわば多重人格。全く性格の違う役柄を見事に演じ分けたのだ。

だから、今年「半分、青い」(NHK総合S)と「義母と娘のブルース」(TBS系)で同時期に全く違う役柄を違和感なく演じていたのが話題になったが、全然驚かなかった。何しろ、デビュー直後から、それを同じ作品内でやっていたのだから。

子供の頃から、器用な子だったという。勉強や運動、習い事、なんでもそつなくこなせた。幼少期から漫画やゲームを親しみ、特に漫画「天使な小生意気」がバイブル。それが彼の美学や人格を形成した。

「人間としての本質はもう完成したな」

そう思ったのが中学2年だったという(「FRaU」2016年11月号)。早熟すぎる。高校時代になると、やりたいことが何もなく、将来の夢も思い浮かばなかった。

けれど、進路を決める時期は刻一刻と近づいてくる。どうしよう?と考えていたときにちょうど、スカウトされた。渡りに船だった。

声をかけられ、おもしろそうと思ったからやりますと答え、オーディションに行けと言われるまま行って、合格したとなれば、とにかく現場に行く。そんな感覚だった。それでもそつなくこなせたのは、その器用さと早熟な人格形成の賜物だろう。

最初は成り行きだった役者の仕事も、やっていくうちに楽しくなり“本気”になっていった。

下に続きます
「月刊ザテレビジョン」(毎月24日発売)にて、てれびのスキマが毎号1人の芸能人に焦点を当て考察する新連載「芸能百花」がスタート! 第17回の“お題”「佐藤健」は発売中の1月号にて掲載

◆てれびのスキマ◆1978年生まれ。テレビっ子。ライター。雑誌「週刊文春」「週刊SPA!」「TV Bros.」やWEBメディア「日刊サイゾー」「cakes」などでテレビに関する連載多数。著書に『1989年のテレビっ子』『タモリ学』『笑福亭鶴瓶論』『コントに捧げた内村光良の怒り』など。新著に『全部やれ。 日本テレビ えげつない勝ち方』

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