人間味のあるキャラクターに視聴者もまた迷い、悩み、恋焦がれる
誰とでもすぐ打ち解ける明るい性格の陽菜と、コミュ障全開の瑠衣。ドメカノのヒロイン姉妹は、その異なるキャラクター性においてラブコメとしてのバランスをいい塩梅にし、「やっぱ陽菜姉(ねえ)だな!」「いや瑠衣ちゃんも捨てがたいっしょ!」と視聴者男性同士の談義を熱く激しいものとする。女性への好みは様々だと思うが、夏生が陽菜に恋焦がれているのは、ある意味で男性の多数派意見が反映しているような気も。しかし、物語が進んでいくと、ヒロインに向けられる視聴者の思いはグラグラと揺さぶられていくことになる。
陽菜には叶わぬ恋への悩みがあり、普段の天真爛漫な姿とは真逆の大人っぽい表情を突然見せてきたりする。一方の瑠衣も、つっけんどんな対応は単に不器用なだけであり、思いやりのある言動をふとした瞬間に見せて夏生をハッとさせてみたり。キャラクターの人間味が丁寧に描かれていくことで、作品への没入度、共感度はグッと高まりを見せる。そこでまた視聴者は「はぁ~どっちにしよ?」と迷い人となるわけだ。同様に夏生の気持ちの行方にも興味がそそられる。陽菜への思いを貫くのか、はたまた……。
5話から登場する柏原ももという強烈キャラとの関係や、序盤ではその恋愛事情が見えない瑠衣の心の内も気になりまくる。そんなわけで今週もまたテレビの前に鎮座し、放送を厳かに待ってしまうのである。