松本まりか「キントリの現場は“極上”」!天海祐希も“怪演”に感謝
――天海さんに取り調べられるシーンでは、どんな気持ちになりましたか?
天海さんが台本だけでは想像できなかった言動で、いろんなことを仕掛けてくださったんです! 私が天海さんにつかみかかった後、台本にはなかったんですけど、お芝居の延長で天海さんが私を抱きしめて、背中をトントン優しく叩いてくださって…。思ってもなかった安心感が湧いて、ほろっとしちゃいました。いろんなものを引き出していただけてシビれましたし、お芝居って楽しいなって感動しました。
――そんな天海さんの印象はいかがでしたか?
周りの方から「天海姉さんのことはすぐ好きになるよ」と聞いていたんですけど、実際すぐ好きになりました! 天海さんは隅から隅まで受け入れてくださる方で…。撮影初日の最後にも「役をすごく丁寧に作ってくださって、ありがとうございます」と言ってくださったんです。その言葉に心の底から感激してしまって! こちらの気持ちをほぐしてくださる方で、お会いするたびに尊敬度が上がっていきました。
――今回の茜役をつかむ上で、一番大変だったことは何ですか?
茜は小さい頃から、たくさん芝居をして生きてきた人だと思うんです。だから、何重ものお芝居をしなくちゃいけないし、特に取り調べでの心理戦では「今は素なのか、お芝居をしているのか。それは何枚目の顔なのか」という部分がすごく微妙で複雑で…。すごく難しかったです。最後の最後まで雲をつかむような感覚で、現場でも毎回、監督に確認しましたし、すごく考えさせられる役でしたね。
――そんな茜に対して、松本さん自身も理解できる部分は何かありましたか?
あります! 私も役を演じていると、自分自身がいなくなって、すごく不安定になるんです。だから、たまに自分自身を発見したくなるんですよ。茜もまさにそういう状態なのかなって。そんなこともあって、私も茜には同族嫌悪的な感情を抱いて、彼女のことはちょっと考えたくないなって思ったりもしました。
――そんな役柄を演じ切ったことで、何か新しい発見はありましたか?
茜をちゃんと理解するにあたっては「あなたにもそういう部分があるんじゃないの?」と問われることも多く、“自分自身の中に入っていく作業”でした。私自身の足りない部分や、行き過ぎてはいけない部分を直視しないと演じられない役だったんです。
だから、すごくキツかったんですけど、現場に行ったら皆さんが「ウエルカムだよ、カモン!」という空気で、すごく優しくしてくださって、うれしくなって! “うれしい”という感情は、つらさや苦しさを乗り越えた先にあるんだなってあらためて思いました。そんな経験をさせてくださったキントリの現場は“極上”でした!