<いだてん>夏帆が夫役・森山未來を語る!「すごい役者さんだと圧倒されています」
おりんの行動は「もう全てがまねできないです(笑)!」
――おりんを演じる上で意識されたことなどはありますか?
おりんさんは本当によくできた奥さんですよね。
最初は箱入り娘なのですが、孝蔵と結婚し生活をしていく中でどんどんおりん自身もたくましくなっていき、子どもが生まれてからはさらに腹を据えて生活していきます。
そういった変化を大切にしながら演じていきたいなと思っています。
ただ、撮影と撮影の間が空いてしまうことが多くて。昨年の10月頃にクランクインしたのですが、それからだいたい3カ月くらい空いて次の撮影があり、またそこから1カ月空いて撮影して…という感じなので、撮影のたびに何年もたっていたりするんです。
子どももどんどん大きくなっていくんですよ。久しぶりに現場に行ったら子どもが生まれていて、何カ月後かに行ったら歩いていて、ついこの前リハーサルに行ったときには私と同じくらいの背丈になっていました(笑)。その空白の時間を埋めるのが大変ですね。
また、家族への思いは大事にしたいなと思っています。
私が登場するシーンは、1話につき2、3シーン程度で短いことが多いので、毎回難しいんです。断片的なところから始まり、終わっていくというような形で…。ただそのシーンがストーリーの中で“振り”になっていたりするんですよね。
普通のドラマだと徐々に関係性を築いていくことができますが、今回はシーンがかわることに何年もの年月がながれていたりするので、現場で積み重ねていくことが出来ないんです。
だからこそ丁寧に取り組んでいきたいと思っています。
――貧乏な暮らしを強いられながらもおりんは夫の孝蔵についていきますが、おりんは孝蔵のどんなところに魅力を感じていると思いますか?
孝蔵さんの落語への情熱と才能を、誰よりも信じていたのがおりんさんだと思います。
破天荒だし、めちゃくちゃな人ですけど、それでもそばでずっと支えていくということは、それだけ強い思いがあったのだと思います。
――夫・孝蔵を演じる森山さんとの初めての共演はいかがでしょうか?
最初はとても緊張していたのですが、とても気さくな方ですし、現場で森山さんと面と向かってお芝居できるのは、とても貴重な経験をさせて頂いていると感じています。
プレッシャーはありますが、森山さんはどんなお芝居をしても全て受け止めて返してくださるので、とても安心感があります。
――森山さんが演じる孝蔵の魅力はどんなところでしょうか?
魅力満載ですよね。これだったらしょうがないなって思ってしまうというか。生命力に溢れていて、躍動感があって、目が離せません。孝蔵という役そのものが魅力的というのもありますが、大きくは森山さん自身の魅力じゃないでしょうか。
こんなふうに演じられる人は森山さんしかいないと思いますし、毎度、すごい役者さんだと圧倒されています。
――結婚当初と比べて感じる孝蔵の成長や変化はありますか?
成長しているのかな? うーん。根本的なところは変わらないかもしれないですね!
所帯を持ったからといって、真面目に生きていくわけではなく、飲む、打つ、買う、はやめない。そこが孝蔵さんの魅力でもあると思います。
生活の部分は変わらないですが、いろんな経験を経て芸はどんどん進化していきます。そこは見どころのひとつなのではないかと思います。
――時代によって孝蔵とおりんの夫婦の形も変わっていくと思いますが、演じている中で2人の関係にすてきだなと思うところや、こんなのまねできないとか感じたことはありますか?
もう全てが、まねできないです(笑)!
でもいい夫婦だな、いい奥さんだなと、演じるたびに思います。
孝蔵さんが志ん生になるまで支えぬき、のちに息子二人とも名人になるわけですから、本当に賢妻だなと。
私がおりんさんだったら、孝蔵さんに対して我慢できないと思いますし、だからこそ孝蔵さんのことを信じていたんだなと感じます。
私は自分が仕事をしているということもあって、相手をここまで献身的に支えるということが自分ではイメージできなくて。
ただ、孝蔵さんとおりんさんの夫婦は本当にすてきだなと、いつか私もこんなふうになれたらいいなと演じていて思います。まねはできないですけどね…。
――どんなところが、まねできないと感じますか?
いや、なかなか我慢ならないなって(笑)。今回のドラマではたんか切ったりしていますが、実際のおりんさんはそんなに怒る方じゃなかったようです。
本当に母性の強い人だったんだろうなと思いますね。見習いたいと思いつつ、なかなか追いつかない部分があります(笑)。