「ゼロ係」に新しい風を吹き込みたい
――私生活において、気持ちが役に引きづられることはありましたか?
役作りをしているときは心配でした。「よし、寝る前に殺人鬼のドキュメンタリーを見るか」と考えながら、「そういえば昼間も殺人鬼の本読んだな」って思ったり。でも撮影が始まってみると、私生活に影響されることはないですね。
殺害シーンの撮影は、感情的にも肉体的にも疲れるんですが、帰ったら何も覚えていないんです。これまでだと役によったら、私生活も引っ張られたりしていたのですが、初めての感覚です。
――演じていて、表情や視線で工夫したことはありますか?
演じるということは、自分の一部を取り出して全部にすることだと思います。テクニカルなことは、カメラの角度やお芝居のカットによって必要だったりしますが、あまり意識し過ぎないようにしています。自然に出てくるのが理想ですので。
――監督からの指示で、表現の仕方で気付いた点や新しい発見はありましたか?
撮影が始まる前に、監督とプロデューサーとみっちり、役について話し合う機会を用意していただきました。
その時に神沼のイメージを共有して、曲を聞いてもらったり、読んでいる本を見てもらったりしたので、根本的な部分は、委ねていただき、役に入りやすかったです。
あとは「こういうしぐさをすると分かりやすいよ」などの提案は頂きました。
――ドラマを見て、視聴者に感じてほしいことを教えてください。
殺人ものは世界中でやってきたエンターテインメントの形です。僕も「ゼロ係」に新しい風を吹き込めたら。これまでのシーズンとは違い、神沼は「ゼロ係」に別の奥行きを加えるような役なので、それがエンターテインメントとして成立していればいいなと思います。
見応えもありますので、面白く豊かなエンターテインメント作品を見れてよかったなとか、毎週金曜が楽しみだなと思っていただければ幸いです。