<いだてん>塚本晋也、共演の役所広司は「人間国宝のような方」
「熱い“うねり”の中で役をつかんでいった気がします」
――役についてはどのようにとらえ、演じられましたか?
ひ弱なようで信念の人。最初はどう演じようか、ほぼノープランでした(笑)。
脚本を読んだ最初の印象としてどちらかというとクールな人柄で、周囲とは一定の距離を取りながらもオリンピック招致の熱狂の渦に取り込まれていく感じなのかなと思いました。
でも今回は撮影現場で信頼できる監督さんたちの言葉を聞き漏らさないようにしながら、その期待に応えようと演技をしていくうちに副島の役どころが徐々に分かっていったところも多いです。
ムッソリーニと談判するシーンでは、副島には「しぼり出すような強さがほしい」とも言われました。そんなふうに、撮影現場の熱い“うねり”の中で役をつかんでいった気がします。
――演じていて難しい点などはありましたか? また脚本の印象はいかがでしたか?
副島は英語やフランス語で話す場面も多いので、現場では緊張しっぱなしでした。
でも、念願の宮藤官九郎さんの作品に出演できたので、とてもうれしいです。連続テレビ小説「あまちゃん」(2013年、NHK総合ほか)もとっても楽しませてもらいましたので。
出演させていただいて分かったのですが、宮藤さんの脚本はそれぞれのキャラクターが立っていて、その人たちが複雑に絡み合って物語を加速度的に楽しくしていく魅力がある。
だからこそ演じる側は全員ワクワクしますし、それぞれが生き生きと演技することができるのだと思います。