奇跡的なバランスの5人になりましたね
――プリキュアの敵として登場する“宇宙ハンター”も、みんな個性的で声を担当されたキャストも豪華ですよね。
田中:“宇宙ハンター”の5人は、経歴も個性もバラバラのキャラクターたちなので、演じる声優さんも、経歴も個性もバラバラの方たちをキャスティングさせていただきました。
実際、声を当てていただいたらすごくハマっていて。皆さん、ハンターたちの得体の知れない不気味さを見事に表現されていて。奇跡的なバランスの5人になりましたね。
――12星座ドレスフォームで戦うシーンなど、プリキュアとハンターとの戦闘シーンでのこだわった部分はありますか?
田中:これまでのプリキュアシリーズの映画だと、クライマックスでさらなる敵と戦う、という展開になるんですが、今回の映画ではクライマックスでのバトルシーンがないんです。
ですから、ハンターとの戦闘シーンには、アクション要素をギュッと詰め込みましたし、5人のハンターとプリキュアを1対1にすることで、おのおののバトルにスポットを当てる構成にしました。
ハンターの個性や経歴をなるべくバラバラにしたのも、戦い方にバリエーションを持たせて多種多様に、視聴者を飽きさせないように、という意味もありましたね。
その中で、プリキュアが12星座ドレスを使って優勢になるという一連の流れを、短いながらも濃く描くことを目指しました。
――確かに、クライマックスでのバトルシーンがないというのも、これまでのプリキュア映画とは異なる点ですね。
田中:地球に迷い込んだユーマがひかるとララと出会って、二人からいろんな影響を受けて、最終的には「いつかこんなすてきな星になりたい」という夢を描いて宇宙に旅立っていく…という作品の一番のラストシーンを、言葉を使わずにどう表現するか。そう考えたときに、高木さんと大森さんの素晴らしい歌を決め手にしようとなりました。
その歌の終わりに、ユーマが再びひかるとララの前に現れた時は、一番影響を受けた2人に近い姿なのではないかと思い、あのようなラストシーンになりました。そのことには誰も異論なく、シナリオの話し合いでもすんなり決まりました。各セクションのスタッフたちの尽力で、とても幻想的できれいなラストシーンになったと思います。
全国東映系・全国にて公開中
<スタッフ>
原作:東堂いづみ
監督:田中裕太 脚本:田中 仁
音楽:林ゆうき、橘麻美
総作画監督・キャラクターデザイン:小松こずえ
作画監督:松浦仁美、中谷友紀子 美術監督:今井美紀
CGディレクター:大曽根悠介 色彩設計:竹澤聡
撮影監督:高橋賢司 製作担当:澤守洸、井桁啓介
※高橋賢司の「高」は「はしごだか」が正式表記
【映画主題歌・挿入歌】「Twinkle Stars」作詞:大森祥子、作曲・編曲:高木洋
<キャスト>
成瀬瑛美 小原好美
安野希世乃 小松未可子 上坂すみれ
木野日菜 吉野裕行
咲野俊介 片桐仁 濱津隆之
石川由依 駒木根隆介
知念里奈(ゲスト声優/映画主題歌歌唱)
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