柑奈こそが“すてきな嫉妬”のあり方
――演じた川崎柑奈はすぐになじめましたか?
撮影に入る前におはらいをやって、初対面のその後すぐに川崎家を中心にした(台本の)読み合わせがあったんですけど、初めから長渕さんに対して、「パパー!」って言わないといけなくて。緊張していたんで、本当にどうしようって思っていたんですけど、おはらいの時に長渕さんの方から、「柑奈は俺の娘だな、よろしくー!」って優しく声を掛けてくださって。
飯島さんも「寒くない?」「飴、あげる」とか気を使ってくださって。みんなで明るい家庭を作っていくみたいなことを(権野元)監督さんと言いながら読み合わせをして、温まった状態で撮影に入ったので、関係性が出来上がっていました。撮影も役づくりもやりやすかったです。
――お父さんに反抗的な態度を取るシーンがあります。どのような思いで臨みましたか?
頑張るというよりも、長渕さんは100%でこられるので、私はそれ以上でいかないと負けると思いましたね。川崎家の中でも、みんなが信吾さんに立ち向かっていくというのがベースに置かれていて、柑奈という立ち位置はとってもパワフルなので、負けずにやっていけたかなと思います。
特に対抗するシーンは、怒って泣いてみたいなことになるんですけど、信吾さんに引っぱたかれた後は悔しくて。シーンを撮り終えてからもずっと泣いちゃって、目が腫れちゃうみたいなことになったんですけど。
――反発してしまう理由は、嫉妬だと思います。本作における嫉妬って、どういうものだと思いますか?
本当に難しいなと思っていて。その人を思うからこそ、じゃないですか。でも、それを素直に「嫉妬している」と言うのは恥ずかしい。素直になれないのが嫉妬だと思うんですけど、それが一番分かりやすいのが柑奈なんです。素直じゃないところが面白いかなとも思いますし、第三者から見れば柑奈こそが“すてきな嫉妬”のあり方じゃないかなとも思います。
――家族のアットホームさが顕著に出ているのは食事シーン。からあげがとてもおいしそうです。
からあげはおいしかったですよ! 川崎家の食事のシーンはもっと見てもらいたいぐらいで、あいさつがあるんですね。「パパとママに感謝して~」っていうのが。あれは脚本にはないんですよ。長渕さんがアイデアを出してくださって、「それは柑奈が言った方がいい」ということで、私が言っているんです。川崎家のルールみたいになって、またリアルでいいなぁって。
――山口さん自身のご家族はどんな感じなんでしょう。
やっぱり一番近いですし、ずっと一緒にいるから、気を使わないで楽でいられる存在ですね。お母さんは支えてくれているし、いい意味で特に何もないけど、ただ好きっていうだけ。お父さんはいつも優しいです。お母さんの方が年齢は上なんですけど、(父は)ぜんぜん口うるさくないし、中学生の時とかにぶつかることもありましたけど、それも「今思えば…」って感じなんで、失いたくはないです。
2020年1月17日(金)、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
出演=長渕剛
飯島直子、山口まゆ、潤浩
上田晋也(友情出演)
瑛太、広末涼子
監督=権野元
脚本=江良至
主題歌=長渕剛「Orange」
▼公式サイト
https://taiyonoie-movie.jp/