「品とポップ」という社訓を守らなければ!(笑)
――仁藤はある女性にこだわりを持っていましたが、松坂さんが普段こだわっていることはありますか?
うーん…。「クランクイン前は早めに寝る」っていうのが、いつも僕の決まりですね。
クランクイン前は本当に緊張するので、早めに風呂に入っていつでも寝られる状態にして備えるって感じです。
正直言うと、「できれば明日休みにならないかなー」とか、明日学校に行きたくない学生のようなこと考えちゃうぐらい、ドキドキしちゃうんですよね。
緊張をほぐす解決策も見つかっていないので、ただただ備えるしかないですよね(笑)。
――映画「孤狼の血」(2018年)では暴力犯捜査係の若き刑事、「娼年」(2018年)では会員制ボーイズクラブの娼夫、「新聞記者」(2019年)では苦悩する内閣情報調査室の官僚役など、さまざまな役を演じられていますが、役に引きずられず好印象のイメージが崩れないように感じます。何か気を付けていることはありますか?
マネジャーさんとよく話すのは、「バランスだね」っていうことですね。自分の好みの作品だけやるとなると重たい作品やミニシアター系の作品が多くなったりと、偏りが出てきてしまいます。
でも、そうではなくて、やれるのであればいろんな色が入っている作品に挑戦してみたいし、自分が40代、50代になったときにその経験は生きてくると僕は思っています。
だからこそ、あまり偏りすぎずにやっていきましょうという話はよくします。
何より、うちの事務所は「品とポップ」という社訓を掲げているので、そこは守らなければいけないです(笑)。
――改めて、「微笑む人」の見どころ、読者の方へのメッセージをお願いします。
人や物の印象、何が必要かというのをそしゃくする時間が今の時代、減ってきています。そういう意味で改めて、「自分ってどう思われてるかな」「そもそも自分って考える時間減ってるかな」っていうのを、「微笑む人」を見た後にドラマの余韻も含めて、考える時間にしてもらえるとより有意義になるのかなと思います。
また、注目していただきたいのは接見室のシーンです。尾野さんといい緊張感での掛け合のシーンは、長回しでもあったので1回戦で5分以上はありましたよね。(近くにいた監督からも、平気で台本7~8ページ分!との声)
結構な緊張感が続いていくんですよ! お互いのちょっとした微妙な変化や感情の揺れみたいなものもあったり、その中で言葉の印象や人の印象みたいなものがちょっとずつ変わっていくので、そこはぜひお見逃しなく!