中村橋之助が「コクーン歌舞伎に新たな息吹」と語る作品が上演!
6月6日から東京・Bunkamuraシアターコクーンにて上演中の渋谷・コクーン歌舞伎「盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)」の囲み取材と公開稽古が6月5日に行われ、演出の串田和美、出演者の中村橋之助、尾上菊之助、中村勘太郎、坂東新悟、中村国生、笹野高史、片岡亀蔵、坂東彌十郎が登場した。
'94年に同劇場で誕生した「コクーン歌舞伎」は、今回で第12回となり、「盟三五大切」は13年ぶりに再演される。同作は、大金が必要となった芸者の小万(尾上菊之助)とその夫の三五郎(中村勘太郎)が、小万にほれ込んでいる浪人・薩摩源五兵衛(中村橋之助)から百両をだまし取ったことで起きた悲劇を描く。だまされた源五兵衛は復讐(ふくしゅう)するために、次々と惨殺を繰り広げるが、やがて、源五兵衛と三五郎との間にある重要なつながりが明らかになっていく。
舞台の出来上がりについて、串田は「いいですよ(笑)」と笑顔で答え、「お芝居って不思議なものですから、(出演者たちが)一番苦しんでいるところがもしかしたら一番よく見えたり。いろんなエネルギーを含めてお客さんに伝わるんでしょう」と演劇論を広げる。源五兵衛を演じる橋之助は、「コクーン歌舞伎のいいところは、みんなでチーム一丸となっておもしろい芝居に向かっていくところですね」と現場のチームワークのよさを話す。また、初めての役に挑戦する勘太郎は、「稽古は少ない期間だったんですけど」と明かし、「役者一人一人ではなく、みんなで舞台を作り上げていく作業っていうのが、心と脳の運動になりますね」と橋之助と同様に、出演者たちが一丸となることの重要さを感じた様子。一方、同劇場での出演は初めてという菊之助は、「歌舞伎役者はセリフ回しやリズムなど演技形態に寄り添って演技しているところが多いんですね。けれども、一回そのリズムを離れ、役の気持ちを考えて心理的に深めている作業をずっとしています」と芝居へ打ち込む姿勢を見せる。
最後に橋之助は、「(同作は)ずっと再演しよう再演しようと言いつつ、なかなかかなわなかったんですけど、今回やっと再演が決まりました。今回初出演の菊之助さんは香るような美しさですし、またコクーン歌舞伎に新たな息吹を吹き込んでくれています」と見どころを語った。
同作が上演された模様は、9月にWOWOWで放送される。
上演中~6月27日(月)東京・Bunkamuraシアターコクーン
「コクーン歌舞伎 “盟三五大切”」
9月にWOWOWで放送