真矢ミキが「居酒屋兆治」で夫を支える妻を熱演!「その人の人生を応援できるというのが“夫婦”の奥ゆかしさ」
「上島さんの言葉は一言で町の風景が想像できました」
――伝吉と茂子が営む「居酒屋兆治」でのシーンがほとんどですが、撮影はいかがでしたか?
セットすごいですよ!本当に美術さんには頭が下がるなと。「これセットですか? そのまま営業してください!」って感じでした。
あと常連客の皆さん、スタッフさんも個性的で楽しい方ばかりなんです。皆さんエネルギッシュで、その活気が画面からも伝わると思います。
――そんな常連客の皆さんとのエピソードはありますか?
有田を演じる上島竜兵さんのアドリブにはハッとさせられたことがあったんです。
居酒屋兆治のそばにスナックがあるという設定なのですが、そこに勤める藤田朋子さん演じる峰子が兆治に来るシーンがあって。長回ししている時に上島さんは峰子に向かって「ママあとで行くね~」っておっしゃったんです。「ママきれいだね~」とかは言いがちだと思うんですけど、この上島さんの言葉は一言で町の風景が想像できました。
また、河原役の西村まさ彦さんは舞台にも多く立たれている方なので、本番にかける熱量というのがすごいんです。映像で拝見していてもいつも爪痕を残すようなお芝居をされているなという印象だったのですが、そんな西村さんの姿を間近で見ることができてよかったです。
この現場はセットにいる時間が多かったので皆さんが役に入っていく過程が見えたし、自分の撮影が終わってからも残って皆さんのお芝居を見たりしていましたね。
――最後に読者へメッセージをお願いします。
なんとなく歩いていてフラッと入った居酒屋が心地よかったということって皆さんあると思うんです。
色んなことで心が疲弊してひりひりするような毎日を過ごしているけれど、そんな中でも大切なのは互いを思いやる気持ちなんじゃないかなと。そんな赤ちょうちんの“温かさ”が溢れているドラマです。
居酒屋って時代が変わってもずっとそんな雰囲気を持ち続ける場所なんだろうなと思います。そんな“日本人の心の灯り”を感じてほしいと思います。
3月28日(土)夜9:00-10:30
NHK BSプレミアムにて放送
【原作】山口瞳
【脚本】櫻井剛
【音楽】西村由紀江
【出演】遠藤憲一、井川遥、渡辺いっけい、西村まさ彦、石橋蓮司、真矢ミキほか
【演出】猪原達三
【制作統括】目黒正之(東映)、中村高志(NEP)、高橋練(高ははしごだか)(NHK)