仲野太賀×矢本悠馬「カットが掛からない時間がツライ。笑いが耐えられない」<今日俺連載その9>
太賀は普通に好きだし尊敬している俳優(矢本)
――テレビ版から劇場版でそのジャッジが変わったなどありますか?
矢本「ドラマ版は“僕たちと監督が面白いモノを作ったよ!”という提案でしたが、劇場版は幅広い層の人が楽しめるワイドな笑いを求めていたような気がします」
仲野「ドラマ版で面白いと思った人を裏切らないというか。その違いは感じました」
矢本「でもまぁ、役者はエンジンかかったらそんな気持ちは忘れてただ楽しんでいましたけどね。それが正解な気もしますし」
仲野「純粋に楽しかった。面白かったです」
――撮影中に思わず笑ってしまうことはないのですか?
矢本「僕はゲラなので一度も我慢できたことはないです。太賀でも賀来くんでも笑っていますね。そしてどうにか笑っていないところを編集で使ってもらっています」
仲野「僕は自爆型かな。演じているときにたまに我に返るときがあって…。ふっと何をしているんだろうと考えたら最後。もう笑いしかないんですよ」
矢本「監督がこのシーンは広がりそうと思ったら終わっても長回しするでしょ。あの時間が本当にツラい。みんながどうにか面白くしようと探り合っているのを谷川は俯瞰してみるというか…。その意見がまたちょっとずつズレていてかなり面白い。もう耐えられないです」
仲野「そういうシーンの理子ちゃん(清野菜名)の表情は最高だよね。彼女もやりとりには入らないキャラクターだから、表情が“無”になっていて。あれを見たらまた笑えるよ(笑)」
――ちなみに、お二人はこれまでも何度も共演されていますが、役者としての魅力はどこだと思いますか?
矢本「太賀は普通に好きだし尊敬している俳優で、どこというのがすごく難しい」
仲野「矢本くんはどの作品に出ても、矢本くんにしかできない役をやっていて。この何でもできる感じ、すごいよ」
矢本「それは太賀も同じ」
仲野「そうなのか!(笑)」
矢本「でも本当に、太賀はいろんな顔がある俳優だと思います。文学っぽい作品から“今日俺”のようなコメディーまで出ていて。この世代では他ではいない唯一無二な存在。そして作品に真剣に向き合っている姿もいい」
仲野「どちらかと言えば真面目だもんね(笑)」
矢本「俳優としての姿勢に憧れます。僕が感覚派なところがあるのですが、その逆というか」
仲野「感覚派なところはうらやましい。矢本くんはノーガード戦法で現場に行けるでしょ。その余裕というか。僕は頭ガチガチだからさ」
矢本「ないものねだりなのかな」
仲野「あと肩の力が抜けている感じはエロいよ」
矢本「それはうれしい。でも太賀は本当に好きな俳優です」