<未解決の女>最終回の見どころを脚本家・大森美香が語る「最後まで二転三転する物語を楽しんでほしい」
Season2はより幅広い皆さんが楽しめる作品にしたい
――大森さんはこれまで数多くの脚本を手掛けられてきましたが、意外にも刑事ドラマを書かれたのは「未解決の女」が初めて。ご苦労などはありましたか?
刑事ドラマを書くことにはずっと憧れがあったんです。ただ、私には事件を思い付く力があまりないので、無理だろうなと思っておりまして…(笑)。
そんな中、「未解決の女」に携わることになったのですが、この作品は基本的に“過去の事件”と“現在の事件”が存在する上に、“文字”の要素も加わってきます。しかも、麻見和史先生がお書きになった原作に出てくる事件は“未解決事件”ではないので、それをどう未解決としてアレンジするか、という部分もあります。
この全要素をきちんと網羅しながら1時間に詰め込むのは、毎回大変な作業でした。ただ、その中でもやはり、“文字”で解決するというコンセプトはほかのドラマにない特色だと思いましたので、文字で楽しんでもらうにはどうしたらいいだろう…と。そこを重点的にスタッフの皆さんとお話しながら、脚本を作っておりました。
――Season1とドラマスペシャルの反響を受け、Season2でこだわられたことはありますか?
私自身の子どもと同じ年齢くらいのお子さんを持つ方々の中には、午後8時台の「警視庁・捜査一課長」シリーズから続けて見てらっしゃる方が多いそうで…。お子さんたちも事件モノを、文字にも興味を持ちながら楽しんで見てくださっている、とお聞きしたんです。なので、Season2ではより幅広い皆さんが楽しんでくださる作品にしたいな、と考えて作った部分はあります。
――楽しみどころといえば、登場人物のキャラクターもSeason2でさらに立っていきましたよね。
朋ちゃんや理沙さんをはじめ、レギュラー登場人物のキャラクターがSeason1で出来上がっていて、何よりもキャストの皆さんが「自分が演じるのはこういう人間なんだ」と分かって演じてくださっているんです。ですから、私も安心して「前よりもさらに楽しんで、冒険しながら演じていただきたい」と思い、キャラクターを作っておりました。
――皆さんのお芝居に触発されて、キャラクターを膨らませた部分もあったんですか?
はい。例えば、波瑠さんと鈴木京香さんの相性はオンエアを拝見したら、私が当初空想していた以上に、すごく気持ちがよかったんです。お2人が会話している姿を見ているだけで、楽しくなるようなところがあったので、私自身も楽しみながら書いておりました。
特に、沢村一樹さんが演じられる古賀室長は…正直なところ、Season1の最初は「爽やかで好感度の高い沢村さんに、こんな嫌みな役をやっていただいていいのかな!?」と、少し遠慮もあったんです(笑)。でも、実際のお芝居を拝見して「こんなに勢いよく演じてくださるんだ!」と。喜びと信頼感に背中を押され、ますます筆が乗りました。