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9mm Parabellum Bullet・菅原卓郎インタビュー!「音楽を届けに行きたいっていうメッセージを形にしたい」

2020/09/23 08:00

9月9日「9mmの日」に初のトリビュートアルバム『CHAOSMOLOGY』と1年5ヵ月ぶりのシングル「白夜の日々」を同時リリース
9月9日「9mmの日」に初のトリビュートアルバム『CHAOSMOLOGY』と1年5ヵ月ぶりのシングル「白夜の日々」を同時リリース


音楽を届けに行きたいっていうメッセージを形にしたい。そういう気持ちをこめたラブソングでもあります


シングルの表題曲「白夜の日々」は緊急事態宣言により、一旦レコーディングが延期に。

「3月には曲を選んで作業を色々進めてて、当初5月にレコーディングする予定だったんですが、緊急事態宣言によって中止になってしまって、結局6月に録ったんです。ライブやレコーディングが中止になってる状況でデモを聴いて、最初はどんな歌詞を書けばいいかわかりませんでしたね。5月に東京が天気の良い日が続いている時期があって。様子を伺いながら散歩したりしてたんですけど、こんなに天気良くて、緑も元気で生い茂っていて、悪いことが起きてるって信じられない感覚があって。でも、自分たちはレコーディングやライブの活動はできなくて、どこか現実感がないというか。同じような感覚を持ってる人も少なくないと思ったので、今感じてることを書かないことには曲を作る意味がないなって。今年は9㎜はライブツアーをたくさんやろうと思っていて、それはままならない状況になってしまったけど、でも音楽を届けに行きたいっていうメッセージを形にしたい。そういう気持ちをこめたラブソングでもあります」

歌い出しの歌詞は“君に会えなくなって 100年ぐらい経つけど/思い出せなくなって しまえば楽になれるの”。苦悩から曲が始まり、これまでの世界と決別し、新たな覚悟を決めるという心境の変化が1曲の中で綴られている。

「仕事でも人に思うように会えない生活が続いて、そういう中で少しずつ自分の気持ちも変化していって。『やるしかないのかな』って心境になったから、この1曲の中でもそういう風に展開しようって思ったんです。適当に歌ってると勝手に言葉がついちゃう時があるんですけど、そういう風にして一番最初の“君に会えなくなって 100年くらい経つけど”っていう歌詞が出てきて。そこから手紙を書く感じで書き進めました」

爽快な疾走感とシャープな切れ味が共存したサウンド・デザインが新鮮だ。

「9㎜の曲の中では、例えば『Black Market Blues』みたいに叩きつけるような激しさがあるわけでもなく、爽やかめの曲だなって思ってて。作ってる時の初夏っていう季節に合ってたのかもしれないです(笑)。それも歌詞を書くのにいい作用があったんじゃないかな。音のバランス感覚としては、インディー時代に近いっていうか。そこまでメタリックな要素を入れるんじゃなくて、演奏してる人が見える生々しい感じにしたくて。前のアルバムの『DEEP BLUE』とか、その前の『BABEL』は、とにかく激しくして厚みを作ろうと意識してて。ライブも当時はサポートメンバーも入れて5人編成で、曲自体にフレーズをたくさん入れても再現できる。でも『白夜の日々』は、CDで言うと、左側に僕のギターが鳴ってて、右に滝のギターが鳴ってて、あとはベースとドラム。オーソドックスではあるんですけど、9㎜としてはそのシンプルなバンドらしいバランスは久しぶりで。滝からも、『サポートなしで4人のバンドサウンドを作りたい』っていう話があって。そういう動きと、歌詞とかの風通しの良さも全部繋がってると思いますね」

シングルの2曲目には、ミドルテンポで、影の深いセンチメンタルが漂う「ロードムービー」が収められている。作曲は菅原と滝の共作だ。

「2月くらいに、滝とふたりで事務所のちょっと作業するスペースで曲作りについて話してたんです。そこで僕が冒頭のフレーズをぺけぺけ弾いて、それに割と手応えがあったんで、その日にもうアレンジだけ作っちゃって。整合性で言ったら、最後にまた転調して戻ってきそうなんですけど、『戻らないままもう終わりでいいよ』とか言いながら作りました(笑)。実験的に楽しく作ったところもあって、『カップリングにいいんじゃない?』って言ってたのがそのまま実現した(笑)」

3曲目のインスト曲「Calm Down」は、まさに気持ちを落ち着かせるような、肩の力が抜けたようなムードの曲だ。

「『Calm Down』は、去年の『DEEP BLUE』のアルバムツアーの時に、僕が喉の調子が悪くなっちゃって。それが2~3本続いて、ちょっとこのまま歌えないなって思った日があって、一回ステージを降りたんですね。その時に他のメンバーが繋ぐ目的で演奏してくれてたセッションをもとに作った曲なんですよ。僕としては、そこで一回切り替えられて、すごく楽になって、そのあとステージに戻れた。その日以降、結局ツアーファイナルまでそのセッションをやっていって。それで今回曲名どうしようってなって、『じゃあ“Calm Down”で』って(笑)。『ロードムービー』も、『ロードムービーっぽい曲だな。じゃあ曲名もそれだ』って決まりましたし。曲の印象からそういう印象を持ったなら、そこに間違いはないはずで。やっと肩肘張らずにそういうことができるようになってきたなと思っています」

ニューシングルで聴ける3曲からは、前のアルバム『DEEP BLUE』にあった、軽やかでポップな日常感の影響も感じられる。

「その流れもありますね。実体験を書いてるわけではないけど、自分の記憶や感情をもとに書いてるわけで、“この歌詞を書いているのは、菅原卓郎って人なんだな”っていうのがより出てきてると思うんですよね。今はそういうモードなので、それ以外は装ってる感じがしてしまう。だからしばらくは、より等身大に、サウンドも音も落としどころを見つけていく作り方が続くと思ってます。『僕たちこういう人だし、しょうがない』っていう開き直りっていうか(笑)」

取材・文=小松香里

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

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『CHAOSMOLOGY』発売中 日本コロムビア 4,000円(税別)
収録曲●Vampiregirl(UNISON SQUARE GARDEN)/Supernova(BLUE ENCOUNT)ほか全9曲/DISC1/Wanderland(SPECIAL OTHERS)他全9曲/DISC2
「白夜の日々」発売中 日本コロムビア 1,000円(税別)
収録曲●白夜の日々/ロードムービー/Calm Down

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