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3度目の防衛戦に挑む八重樫東「記憶に残るボクサーになりたい!」

2014/04/03 23:46

(左から)世界タイトルに挑戦する井上尚弥選手と3度目の防衛に挑む八重樫東選手
(左から)世界タイトルに挑戦する井上尚弥選手と3度目の防衛に挑む八重樫東選手

4月6日(日)夜10時から放送される「BOXING ダイヤモンドグローブSP」(フジ系)。20歳の天才ボクサー・井上尚弥の日本最速記録プロ6戦目での世界王座への挑戦と、WBC世界フライ級チャンピオン・八重樫東の3度目の防衛戦の模様を伝える。

今回、八重樫が対戦するのは、前回2回と同様、メキシコ出身のファイター、オディロン・サレタ。八重樫は、今回の防衛戦に勝利した後を想定し、次に対戦する相手の名を挙げ自らを追い込んだ。その名は、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア・帝拳)。どのボクサーも「戦いたくない」と恐れる実力者だ。“強い選手と戦いたい”…チャンピオンになっても八重樫の姿勢は変わらない。そんな八重樫に、試合を間近に控えた心境、これまでのボクシング人生をインタビューした。

――いよいよ3度目の防衛戦ですね。

はい。対戦相手の選手はアマチュア戦績豊富なキャリアのある選手なので、しっかり丁寧にボクシングしていくことが重要かなと思っています。

――この試合に勝てば、次にローマン・ゴンサレス選手の名を挙げましたが。

勝つのが大前提なのですが、ローマン・ゴンサレス選手は、誰も彼の挑戦を受けたがらないくらい強くて、みんなやりたがらない選手なので、“じゃあ俺がやるよ”っていう感じです(笑)。やはり、ボクサーとして、強い選手と試合ができるのは素晴らしいと思うんです。強い相手と戦うと決めると、次の試合へのモチベーションが高くなるというか、戦う気持ちが強くなりますね。

――八重樫選手は実はネガティブ思考だとうかがったんですが。

そうなんです。基本的にかなりのネガティブ思考なんですよ(笑)。ネガティブなので常に、こういうふうになったらどうしよう…とか、マイナスなイメージを描きつつも、その中で練習を積み重ねて不安を塗りつぶしていくというスタイルです。そこからどうやって勝ちにつなげていくかってことを試行錯誤するのが練習ですし、そこができなければ自信のないままリングに上がってしまうので、勝てる訳ないですよね。今は試合に向けてそれをしっかり作っている段階です。

――普段は穏やかな八重樫さんですが、試合だと豹変しますね。

普段はこんな感じなんですけど、ちょっと自分の状況が悪くパンチをたくさんもらったときとかは、「この野郎」って思いますよ。けんか腰になる、そういう一面ももちろんありますね。

――ボクシングはいつ始めたのですか?

小・中学校は野球とバスケットボールをやっていまして、ボクシングは高校からです。たまたま、小さいころからの友達に「お前もやらない」って誘われて、「じゃあいいよ」って感じでした(笑)。まさか自分がずっとやるとは思っていなかったです。

――'05年にプロデビューして、これまでで一番きつかったときは?

'07年に最初に世界タイトルマッチに挑戦して負けたときはそんなにきつくはなかったです。あごの骨が折れて身体的にはきつかったですが。でも、その次の次の試合で、もう一度日本人の選手に負けちゃって、それからがきつかったです。“現状”がつらくて。でも結構マイペースにやっていて…あれ? (思い返すと)それほどつらくなかったかも(笑)。

――そのころ、支えてくれたのは?

やっぱり家族でしょうね。結婚したときはかなり低迷しているつらい時期だったので、先のこととかいろいろありましたが、精神的な面で一家の男として「俺が頑張らないと」と思ったことが、踏ん張れる作用になったと思います。

――昨年末の2度目の防衛戦で、娘さんが「お父ちゃん頑張って」って叫んでましたね。

あれは、聞こえてました(笑)。比較的静かな会場だったので、響き渡ってましたね(笑)。家の呼び方は、「お父ちゃん」と「ママ」なんですよ。試合の内容とかは何も分からないと思いますけど興奮していたみたいですね(笑)。

――'12年6月、井岡一翔選手との日本初2団体世界王座統一戦は当時かなり注目されました。

あれは、僕にとって確かに“山”でしたね。試合の前に対戦(スパーリング)する機会があって、「これ行けるかも」ってイメージがあって戦ったんですが…。負けた代償は大きかったですね(笑)。でも試合で、多くの方に僕を知っていただいて、負けはしましたが対戦して良かったと思いました。顔がものすごく腫れまして、治るのに2週間くらいかかりました。試合の最後の方は相手の足元しか見えなくて、感覚だけで試合していました。自分の力では目を開けられなかったですね。

――'13年4月、階級をミニマム級からフライ級に上げて、五十嵐俊幸選手と戦い再び世界チャンプになりましたね。

もっとうれしいと思ったんですけど…。自分の中で大きなものだと思ったんですが、終わってみたら次の事考えちゃって。山は越えたけど、目の前にはもっと大きな壁ができて、それを越えたらもっと壁が高くなるんだろうなって。そういうことばかり考えましたね。フライ級なので強い選手が大勢いますからね。地道にこつこつ山登りしている感じです。

――戦う上での八重樫選手の信条は?

基本、諦めないってことでしょうか。ボクシングに絶対はないんで、もしかしたら、どんなパンチでもいいから最後に逆転できるかもしれないし、意識があって、体が動く限りは戦い抜くっていうのは信条ですね。

――今後の目標は?

皆さんの記憶に残るボクサーになりたい。それが目標でしょうか。引退しても、「あいつは面白い試合をしてたよね」とか、覚えていてもらえるボクサーになりたいですね。

――最後に視聴者へのメッセージをお願いします。

一生懸命戦いますので、試合を見て何か感じてもらえたら、すごくうれしいです。応援よろしくお願いします!

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

八重樫東プロフィル
黒沢尻工業高校でボクシングを始め、その後拓殖大学に進学し、'02年、国体で優勝。卒業後大橋ジムに入門する。
'05年3月、ミニマム級にてプロデビュー。'07年6月、プロ入り後日本最速7戦目(当時)でイーグル京和の持つ世界タイトルに挑戦するも、
あごの骨を折られ判定負け。'09年日本ミニマム級王座を獲得し、'11年WBA世界ミニマム級王者・ポンサワン・ポープラムックに勝利。
翌年の'12年6月、初防衛戦として、WBC世界ミニマム級チャンピオン・井岡一翔と世界王座統一戦を行い、判定負けを喫し王座を失う。
その後、階級を上げ、'13年4月、WBC世界フライ級王者・五十嵐俊幸に挑戦し、判定勝利。再び世界王座を獲得し、'13年8月、12月と2度の防衛に成功。
4月6日(日)、3度目の防衛戦に臨む。妻、1男2女の5人家族。


「BOXING ダイヤモンドグローブSP」
4月6日(日)夜10:00-11:15(延長あり)
フジ系にて放送

放送予定カード:
WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ
「アドリアン・エルナンデス(メキシコ)vs井上尚弥(大橋)」
WBC世界フライ級タイトルマッチ
「八重樫東VSオディロン・サレタ(メキシコ)」

MC=千原ジュニア、三宅正治アナ、加藤綾子アナ
ゲスト=村田諒太(ロンドン五輪ミドル級金メダリスト、東洋太平洋ミドル級1位)、内山高志(WBA世界スーパーフェザー級チャンピオン)
解説=川島郭志(元WBC世界スーパーフライ級チャンピオン)
実況:森昭一郎アナ、竹下陽平アナ

画像一覧
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  • (左から)世界タイトルに挑戦する井上尚弥選手と3度目の防衛に挑む八重樫東選手
  • 【画像】防衛戦に向けて練習を重ねる八重樫東選手
  • 八重樫選手はインタビュー中も笑顔!

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