初共演の石原さとみは「役を生きている」
――まずは岡田惠和さんの脚本の魅力を教えてください。
日常会話の妙というか、すごくリアリティがあって良い意味でドラマっぽくないんです。そして、人の表情が出てくるような脚本になっているので、書かれている通りに言うだけで、キャラクターが成り立ってしまう。
とても自然な流れの中でいろんな感情が出てくる脚本なので、こういう風に言おうという考えは全部捨てて、まっさらな状態でやったほうが絶対に上手くいくと思ったので、変に自分の色を出さないことを努力しました。
――主演の石原さとみさんとは、初共演なんですよね。
番宣で同じ番組に出演した時にお話ししましたが、お芝居をするのは初めてでした。作品を拝見していると、わりと強い女性を演じることが多い印象でしたので、今回はこれまで見たことない石原さんになるのかなと楽しみでした。現場での印象は“真面目”で、セリフ量も多い中、何事もないように自然に演じられていて、ゆり子という人を生きているなと感じました。
――では、義父役の寺尾聰さんはいかがですか?
寺尾さんとは、このドラマの撮影をする数日前まで別のドラマでご一緒していました。時代劇だったんですけど、その現場で「お前もこのドラマに出ろ」とアドバイスをいただきました(笑)。「岡田さんの脚本がいいから!」と。そう言われる前から出演させていただくつもりではいたんですけど(笑)。
このドラマで3回目の共演だったのですが、寺尾さんは最初から僕ら若輩者を温かい目で見守ってくれるような存在。これまでもお父さんのように接していただいていたので、本作で義理の親子を演じることに恥ずかしさもありましたが、安心感がありました。