木村拓哉、『教場II』の撮影を振り返り「一緒にやってくれたみんなのことをちょっとひいきめに見てしまう」
――どのような撮影現場でしたか?
この状況下、コロナ禍で撮影するとなったとき、所作訓練も含め、精神的にもすごくタフさが求められた現場だったと思います。にもかかわらず、みんな、誰1人腐ることなく取り組んでいました。
中江監督がまた予定調和の芝居が大嫌いな、志の高い方ですから、そういう芝居をしたときには、何度も「もう1回」とNGを出されますし。でもそれは彼、彼女の「もう1回」ではなくて、そのシーンにおける「もう1回」で。
僕も、彼ら彼女らに「あなたの“もう1回”ではなくて、このシーンの“もう1回”だから」ということを生徒役のみなさんに伝えて、みんなで乗り越えていきました。1シーンで140カット撮るときもあるんですけど、どのカットも妥協のないライブを収録してる感じでしたね。
こうやって1つの作品の撮影を一緒に共同作業させていただくと、一緒にやってくれたみんなのことをちょっとひいきめに見てしまうというか。自分が教官として送り出すみんななんだなと、今実際にそういう思いになれています。みんな、本当にがんばっていました。
――「教場II」はどのような作品になりましたか?
僕の中では(第一弾から)途切れることなくつながっている時間です。前作は警察学校198期生のエピソードで、今回は200期。その間にいる199期が前作のラストに少しだけ登場したみんななんですけど、そこの流れが少しずつ関わり合っています。
198期、199期、200期と、対峙(たいじ)する面々が変わると、でき上がってくる空間もやっぱり違うものになる。“前作を凌駕(りょうが)する、しない”は、見てくださった人たちにジャッジしてもらうことだと思っていますが、同じ教場は教場でも、流れる時間や、そこで生まれる空気が全く違った作品になっているので、また違う形で楽しめるのではないかなと思っています。