――最初に今回の企画を聞いてどんなことを思いましたか?
昨年からコロナの影響で家族や人との距離感が話題になっていると思うんです。
今回のドラマは、一見平穏そうな家族なんですけど、実はバラバラになっているところがあって。私が演じる萌子美(モコミ)が自分の殻を破って広い世界に飛び出していくことをきっかけにそれぞれの意外な関係性が明らかになっていきます。
自分と一番近い距離にある家族のことが描かれている作品だなと思いました。
――萌子美はどんなキャラクターですか?
萌子美はお花やぬいぐるみなど“モノ”の気持ちが分かるし、会話もできるという不思議な感覚の持ち主。そのせいで、小さい頃から友達や周囲の人たちから変な子だというレッテルを貼られてしまいます。
そんな萌子美のことを家族は心配するし、彼女自身も周りから貼られてしまったレッテルの中で生活するようになってとても狭い世界にいる。
1話では、人はいつでも生まれ変われるんだということを知った萌子美が一歩踏み出すところが描かれているんですけど、お母さんが娘に対して過干渉気味で。それは物語の冒頭から手に取るように分かります。今後も、お父さん、お兄ちゃん、おじいちゃんといった萌子美の家族がどんどん複雑に絡んでいくんだろうなと思っています。
――萌子美という役とどう向き合っていきたいと思っていますか?
萌子美は人とは違う感覚を持っているけど、それ以外はごく普通の女の子。だけど、また何かを言ったらお母さんが心配するかもしれない、周りから変な目で見られてしまうかもしれないと思ってしまって、なかなか自分の気持ちを伝えることができないんです。
それでも自分に貼られたレッテルをはがして新しい一歩を踏み出そうとしたり、思っていることを言おうとすることはすごく勇気が要ると思うんです。
その複雑な感情を表現するにはどうすればいいのか。監督と話し合いながら丁寧に演じていきたいですし、モノと対峙(たいじ)している時の萌子美がちゃんと“会話している”ように見せることができたらいいなと思っています。
――モノに話し掛けたりする萌子美の気持ちは理解できますか?
私は萌子美みたいに会話をすることはできませんけど、小さい頃から一人遊びが大好きだったので、ぬいぐるみ相手に話し掛けたりして遊んでいました。
――確かにそういう感覚は分かるような気がしますね。ちなみに、大人になった今でもモノに話し掛けたりすることはあるんですか?
ガジュマルという小さめの観葉植物を育てていて「ガジュさん、日光に当たる?」なんて言いながらよく話し掛けています(笑)。
――「ガジュさん」と呼んでいるんですね?(笑)
そうなんです(笑)。“ガジュマルには天使が宿る”という言い伝えがあることを知って愛着が湧いていたので、ずっと前から欲しかったんです。
――いつか「ガジュさん」とお話しできたらいいですね。
そうですね、植物と会話できる萌子美がちょっとうらやましいです(笑)。
――萌子美は子どもの頃から空想の世界が一番の遊び場という設定ですが…!?
私も小さい頃から空想することが好きです! 小学校からの帰り道、もし傘を持っていたとしたらそれを銃に見立てて、あの角からゾンビが出てきたら戦うぞ…みたいなことはよくやっていました。これ、全部一人でやっているんですよ(笑)。
いろいろなことを頭の中で想像しながら遊んでいた記憶があります。
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