<試写室>「クレヨンしんちゃん」原始時代連続企画『おバカはじめて物語』が始動!
演出・平井峰太郎のコメント
――原始時代の野原一家を描き、全編言葉なしで進行する本企画ですが、どのような経緯・意図で企画されたのでしょうか?
なぜ言葉なしのせりふにしたのか、それは、原始時代の必然性を追求したからです…というのは半分冗談で。今回の企画では、まず舞台を原始時代にするというのが決まったのですが、普段のテレビシリーズでも時々やっている時代劇や、サラリーマンしんのすけ等の特別編とは違う、何か新しいプラスアルファができないか、というところから、言葉なしというアイディアが出て、そこに、シナリオライターのうえのきみこさん発案の「おバカのルーツを見せる」プロットが結びつき本企画となりました。
――制作にあたって、工夫された点、苦労された点などはございますか。
シナリオの段階から、せりふに頼らないストーリー作りをうえのさんとともに工夫しましたが、やはり言葉で説明できない、言葉のギャグが使えないので、演出する上でいつも以上にアニメの表現力が重要になります。より見せる動き、笑わせる動きになるよう作画担当者にも頑張っていただきました。
各キャラクターは野性味をプラスしたデザイン、色設計で新しく起こしました。背景のタッチも美術担当者のアイディアでいつもとは違った切り絵風にしていただいたことで、見た目の印象も普段のテレビシリーズとは違ったものになっています。
――実際にアニメとなった本作の手応えはいかがでしょうか。
音に関して言いますと、アフレコを見るまでは、全てのせりふを「ブリブリ」で表現することに不安がなかったわけではありませんが、声優の皆さんには期待以上の素晴らしい演技をしていただき、とくに子どもたちは本当にかわいらしくなりました。
バラエティ番組などでおなじみの若本規夫さんの、ハイテンションなナレーションも最高です。毎回流れる愉快なおバカの歌も新曲で作っていただき、最終的な仕上がりはまだなのですが、面白いものが出来上がる手応えは十分です。
――最後に、視聴者の方々へのメッセージをお願いいたします。
「おバカはじめて物語 原始時代編」では、いつもと違う、今まで見たことのないクレヨンしんちゃんを楽しんでいただけると思います。“おバカ”が生まれるビッグバカーンな瞬間をテレビの前でぜひ目撃してください!