<試写室>「クレヨンしんちゃん」原始時代連続企画『おバカはじめて物語』が始動!
“クレヨンしんちゃんチームの全力”
見終わって感じたことは“クレヨンしんちゃんチームの全力”だった。「クレヨンしんちゃん」という作品に向き合い、新たな試みとして全力で楽しみながら作ったんだろうなと思った。子どもが全力で楽しんで遊ぶように、大人が全力で楽しんで作った作品は面白すぎた。
登場人物が最初から最後まで日本語をしゃべらず、字幕もつかない珍しい作品とは聞いていたけれど、映像を見始めたら、「え、日本語じゃないのに何言ってるか、分かるだと!?まさか…私ってすごい…?」と一瞬、自分に特殊能力があったのかと錯覚する。
その不思議な感じが面白く、何度も何度も見てしまう。しんのすけたちが発する「ぶりぶり」という言葉には、全て意味があり、それが分かることがとにかくすごい。
普通に話しているだけでもニュアンスの違いや相手に伝えようとしなければ、伝わらないことだってあるのに、この作品では短い言葉だけで会話を表現し、見ている側へと字幕を使用せずに意味さえも伝えることができる。また、言葉なしのせりふということを違和感だと思わせない演出、絵の動きにも感動する。
大人にもなじみがあり、子どもたちに伝わりやすいストーリーの「クレヨンしんちゃん」だからこそ、表現できたのではないかと思う。子どもでも分かる面白さは元子どもの私でも楽しめた。
また、音楽や若本規夫さんのナレーション、効果音なども癖になる。特にどこか聞き覚えのある親しみのある音楽は自然になじみ、脳内で何度も再生される。気付いたら、鼻歌を歌っていたのはまた別の話である。
そんな「クレヨンしんちゃん」の新たな企画は3月6日(土)より4週にわたって放送。ぜひ、大人も子どもも、その面白さを感じてほしい。