強烈なキャラクターが勢ぞろい
――登場人物が全て濃いキャラクターとのことですが、その中でご自身はどのような役づくりを心掛けましたか?
山崎:ジェットコースターのような振り幅があって、ぶっ飛んでいるシーンも多いので、 “ぶっ飛んでいる”だけにならないよう、なるべく誠実に、繊細に演じようと思いました。おさむさんの台本の中には「ここは行ってほしい」という場面が提示されているので、それ以外はきっちり繊細に演じていって、ここぞというときに爆発する、そういうメリハリはちゃんと作っていかないと、というのを意識していました。
――光男が少しずつ嫉妬心を募らせていく、というところは静かに演じられたということでしょうか。
山崎:そうですね。光男と秀実の関係の変化は、せりふではなく表情や目線で表現するとか、その積み重ねていく段階をしっかり付けたいなとは考えていました。
――市原さんは陶芸家という役どころですね。
市原:なので撮影前に陶芸の練習から入りました。作品の中で信彦と秀実が映画の「ゴースト」のようにろくろを回すシーンがあるんですけど、演じていて本当に恥ずかしかったです(笑)。
瀧本:そうだったんですね(笑)。
――内面的な部分で意識したところはどこですか?
市原:信彦の愚直な感情の揺さぶりを全面に出していきたいと思いました。みんなそれぞれ自分の“正義”を持っていて、善にも悪にもなれる個々の正義がぶつかってしまう状況の中、信彦はどんなシチュエーションも言葉も、全てを正面から受け止めて返してしまう人間であり、白と黒しかない。…なので、意外な方向に急展開していくことになるんですけどね。