――視聴者層も広がってきたということで、これほどまでに視聴者に支持されている理由はどうお考えですか?
その時代時代を生きる人たちの“心”を描いてきたところだと思います。「この人こんな人ですよ」「こんな活動してますよ」「こんな哲学を持ってますよ」ということを伝えるドキュメンタリー番組とは違って、「ザ・ノンフィクション」は、その人がどんな心模様で生きているかなど、そういうことに目を向けてきました。それも名もなき人たちに。
――「ザ・ノンフィクション」は他のドキュメンタリー番組とは違って有名人というよりは一般の方に密着されていますよね。
おそらくですけど「テレビ的に顔がない人が出ていても数字をとらないから」という事が前提にあると思いますが、「ザ・ノンフィクション」は、そことは違うところで続いてきた番組だと思います。
おそらく、誰が出ているとかではなくて、みんな自分の隣にいるかもしれない人が、どうやって生きているのかとか、どんな価値観をもって日々を暮らしているのかなどにずっと目を向けてきたので、日曜の午後にそれを見ることが、定着したのかなと思います。
顔も分からないけれども、自分の隣にいそうな人が何か言っていたら、「いやいやそれは違うよ」とか、「いや私はこうします」とか、「あっ、同じ考えだ」とか、そういう事を多分テレビの前で皆さんされているんじゃないかな。喜怒哀楽を持ってテレビと向き合う…。「ザ・ノンフィクション」はそういう番組だと思います。見ていると、なんとなく腹が立ったり、泣けたり、拍手したり…。そんな番組だと思っています。
――どんな人に密着するかはどうやって決められているんですか?
ドキュメンタリーの制作会社やディレクターさんが僕のところに企画を持ってきてくれるというのが大体のスタートです。こういう人がいるんだけど、こんな人たちがいるんだけど、こんな家族がいるんだけど、「ザ・ノンフィクション」でどうですかと。
あとは、僕の方から「こんなことがあるらしいんだけど取材してみたらどうか」と始めるものもあります。今の時代や社会の空気を描けそうだなと思ったものを提案しています。
あとは、女性に見てもらえるような番組を作るようにしています。これは最近の傾向で、若い人が見るものは高齢の方も見るんですよ。高齢の方しか興味がないものは若い人は興味がなくて。で、女性が見てくれるものは男性も見るんですけど、男性だけが興味があるものは女性は見てくれない。
なので、20代、30代、40代の女性に興味を持ってもらえるものを作っています。それは結果的にみんなが興味あるものなのかなと思います。
毎週日曜昼2:00-2:55
フジテレビで放送