<おちょやん>板尾創路“万太郎”の晴れ舞台に涙…“客席いじり”は星田英利が提案
杉咲花がヒロインを務める連続テレビ小説「おちょやん」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は一週間の振り返り)。4月13日放送の第92回では、万太郎(板尾創路)と千之助(星田英利)による“須賀廼家兄弟”が舞台の上で復活。渾身の喜劇で視聴者の笑いと涙を誘った。(以下、ネタバレがあります)
「にいさん思い出して笑いよるわい」
第19週「その名も、鶴亀新喜劇や」(第91~95回/4月12~16日)では、千代(杉咲)たちの新たな劇団「鶴亀新喜劇」がスタートするまでの展開が描かれている。一平(成田凌)が新しい劇団の立ち上げを打診され逡巡しているさなか、“道頓堀の喜劇王”と呼ばれた須賀廼家万太郎(板尾)は最後の舞台に立とうとしていた。
喉の病気で声を失ってしまった万太郎。声がなくては喜劇役者を続けることはできない。だが万太郎は大山社長(中村鴈治郎)に頼み込み、最後に一度だけ舞台に立つことを許された。
万太郎がしゃべれない以上、万太郎の身振り手振りが笑いにつながるかどうかは共演役者の力量にかかっている。そして、それができるのは千之助を置いてほかにはいなかった。
かくして2人は、決別以来40年ぶりに同じ板(舞台)の上に立った。
冥途にやってきた万太郎を、千之助演じる閻魔大王が裁くという設定。表情や身振りでボケる万太郎に千之助がツッコミを入れるコントのようなやり取りは、稽古場でも劇場でも大きな笑いを生んだ。
公演のラスト、極楽の扉をくぐって退場する万太郎はしばし足を止めた。「止まってどないすねん!」とツッコんで笑いを取った千之助だが、万太郎の想いに気づいたように「わかった、わかったわ。万太郎にいさん。まぁ、これからもきっとみんなものう、万太郎にいさん思い出して笑いよるわい。にいさんそうやってずーっと、生きていくんや。のう!」と、客席に、万太郎に語りかけた。
万太郎は帽子を取って客席に一礼し、おどけた姿を見せると舞台を降り、そのままその生涯を終えた。