杉咲花がヒロイン・千代を演じている連続テレビ小説「おちょやん」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は一週間の振り返り)。千代が道頓堀を出て1年後を描く第21週「竹井千代と申します」(第101~105回/4月26~30日)は、久しぶりに明るい気持ちで見られる展開。そんな朗らかな雰囲気を生み出しているのが、毎田暖乃演じる少女・春子の存在だ。(以下、ネタバレがあります)
一平(成田凌)・灯子(小西はる)の裏切りに深く傷つき、道頓堀を飛び出した千代。身を寄せたのは、幼い頃生き別れて以来行方知れずだった継母・栗子(宮澤エマ)のもとだった。
34年前に父の後妻として現れ、幼い千代(毎田暖乃・二役)をいじめ抜いた栗子。だが、栗子なりにその後の人生を懸命に生きてきたことがわかり、今では千代も、一緒に晩酌するなどかなり心を許している様子。そして、2人の関係修復に大きな役割を担ったと思われるのが、栗子の孫・春子だ。
春子にとって、千代との初対面は印象のいいものではなかったはずだ。当時、傷つきボロボロになっていた千代は、栗子に「春子の面倒を見てほしい」と言われて思わず「ムシのええこと言わんといて!誰も世話する人いてへんねやったら奉公にでも出したらよろし」と怒鳴ってしまった。
それでも、春子は少しずつ千代になついていった。「宿題、教えてくれへん?」と千代に話しかけ、千代が昔女優だったとわかると無邪気に「ホンマに女優さんやったん?すごいやんかー!なんで教えてくれへんかったん?」とはしゃいだり、「見たかったなぁ、千代おばちゃんのお芝居」とニコニコ話した。栗子は字が書けない、と千代に教えたのも春子だ。
まさに、子はかすがい。朗らかな笑い声と無邪気な言葉が、ともすればギスギスしがちな千代と栗子の潤滑油となっていったに違いない。