「違いを理解すれば思いやりにつながる」車いすテニス・国枝慎吾選手が松岡修造に明かした本音
コロナ禍で取るべき行動を即座に理解
また、パラリンピックを控える中、一つの課題となっている新型コロナウイルスについて、「コロナを受け入れるとはどんな感覚なのか」と問い掛ける松岡。それに対して国枝選手は「今まで自然にできていたことができなくなるという状況は、9 歳の頃、脊髄のガンで車いす生活になった時と少し似ています」と回答する。
階段の昇り降りや、友達とのサッカーなど、当たり前にできていた日常が一変したことを、当時はなかなか受け入れられなかったという過去の境遇に思いを馳せたとき、現在のコロナ禍を現役アスリートとして、また一人の人間としてどう生きるべきかということ、自分が取るべき行動の道筋が「割と早い時期に見えた」と打ち明ける。
圧倒的な王者にとっての“負け”の意味
車いすテニスの最高峰グランドスラムのシングルスで優勝24 回を誇る国枝選手だが、2021年2 月の試合では惜しくも準決勝で敗退。過去にはシングルス107 連勝という前人未到の大記録をたたき出すなど、勝ち続けることが当然だったが、そんな国枝選手がその大会を振り返り、意外にも「勝って終わらなくて良かった」と言い切る。国枝選手のテニス人生にとっての“負け”の意味が明かされていく。
パラリンピックは初めて夢ができた瞬間
学生時代、国枝選手は「何かひとつ、自分にはこれがある!と言えるものがほしい」との思いから車いすでパラリンピックを目指すようになったという国枝選手。それが「自分自身にとって、初めて目標や夢ができた瞬間だった」と語り、続けて障がいがある子供たちへメッセージを送った。