感情というのは「いくつもあって、ウソじゃない」
とわ子の人生には、3回の離婚、そして、子どもの頃からの親友・かごめ(市川実日子)の死という大きな出来事が起きているが、この作品では、一つ一つの出来事に対して説明を加えたり、ドラマチックに振り返ったりなどはしない。過ぎゆく人生をその時々で受け入れながら、進んでいくとわ子を見ていくのだ。トホホ…なんて落ち込んでいるヒマはない。
その中で、とわ子の生き方を静かに肯定してくれる人物が現れた。最終話に登場したマーさん(風吹ジュン)だ。とわ子の亡くなった母が愛した女性だというマーさんに、とわ子は唄と一緒に会いに行った。
マーさんはとわ子の母との関係を「お互いの持ってないところを嫉妬し合って、ケンカもしたし。その分、距離も近くなって、何でも話し合えた」と語り、「大丈夫だよ、あなたのお母さんはちゃんと娘を、家族を愛した人だった」と、とわ子を安心させた。その後、「誰だって、心に穴を持って生まれてきてさ、それを埋めるためにジタバタして生きてんだもん。愛を守りたい、恋におぼれたい。一人の中にいくつもあって、どれもウソじゃない」と、人間の感情は単純ではないことを語った。
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