大豆田とわ子を見て、感じたすべてが正解
先述のシーンを見て「マーさんとお母さんの関係は、とわ子とかごめのようだな」と感じた人もいれば、「心が救われた幼い子のように、涙を拭いたとわ子が印象的」という感想や「マーさんが女性と分かったときハッとした」という人もいる。見る人によって、心に響くセリフも状況も、刻まれる感情も異なるものであるし、それのどれもが間違っていないよ、どんな生き方も正解なんだよ、というメッセージも込められているようなシーンだった。
人は、夫婦や元夫婦、家族や友人など、人間の関係性に名前を付けてしまいがちであり、ドラマや映画は人生のある一部分を切り取って描くことが多い。しかし、リアルな人生は、例えば“結婚したらゴールイン!”でもないし、都合のいい場面で幕が下りるようなことはない。
どんな関係性であっても良い間柄というのもあるということを元夫たちは教えてくれたし、「大豆田とわ子は最高だってことだよ」と認めてくれる人々に囲まれているとわ子は、この先何が起きてもきっと大丈夫!と思えるラストだった。迷って悩んで、こっちかなと進んだ道が正解かどうかを決めるのは、自分だ。こんな作品と出会い、何かを感じ得られたのならば、意外とちゃんと、自分も愛おしい日々を送れているのだなと気付かせてくれる素晴らしい作品だった。
最終話はTVer、カンテレドーガ、FOD、U-NEXTなどで視聴可能。2021年11月5日(金)にはBlu-ray&DVDBOXの発売も決定している。
文=ザテレビジョンドラマ部