加藤シゲアキが闇を背負う男性を好演
ガラガラと回転させるくじで来世を決めたり、三途の川アウトレットパークの外観は、我々の周りにあるショッピングモールと同じで、さまざまな店のカラフルな看板が並んでいたり、さらに建物内がにぎやかな様子は、休日のショッピングモールと変わらなかったり…と、ポップに描かれた死後の世界に冒頭からわくわくさせられた。
三途の川アウトレットパークの異質な点は、特殊なものばかり売られており、それは来世のための能力や外見にまつわるものということ。思わず、「自分だったら何の能力を買うのかな。そもそも、十分なお金はもらえるのかな」といった妄想も膨らんだ。
そんな世界に行き着いた木村は、来世を決めるくじで見事、人間を引き当てるが、なぜかニコリともしない。さらに、アウトレットパーク内で少年と出会うが、光の宿らない目のまま、気がかりなほど言葉少なに会話する。
その後、木村のコンプレックスは“目”だと判明。
普段、アイドルとしてキラキラした目でファンの前に立つ加藤とは打って変わり、役者として、見るからに多くの闇を背負う男性を好演している。
“目”によって左右された木村の人生。三途の川アウトレットパークで芽生と再会し、人生を振り返った時、来世に向けて彼はどんな選択をするのか。その結末をぜひ見届けてほしい。