新人だった岡田健史を起用、先見の明を持つ新井順子氏
新井氏は、かなりの先見の明を持つ人物だ。たとえば、2018年放送のドラマ「中学聖日記」では、全くの新人だった岡田健史を、有村架純の相手役に抜てきした。黒岩という役柄は、田舎から出てきたばかりの野球少年が演じたからこそ、擦れていないピュアさが視聴者にも伝わったのではないだろうか。
演技経験のない新人俳優に、いきなり準主役ポジションを任せるのはリスクもあったことだろう。だがドラマ公式サイトによると、新井氏は「岡田くんの存在感は独特に光る」と評し、塚原氏がマンツーマンで演技指導を行ったという。新井氏が光を見出し、塚原氏が大事に磨いた岡田健史はその2年後、新井氏と塚原氏がタッグを組んだ「MIU404」にも再び起用された。
さらに、米津玄師に初めてドラマ主題歌を依頼したのも、新井氏×塚原氏チームである。米津が制作した「アンナチュラル」の主題歌「Lemon」は、言わずもがなヒット曲となり、MVのYouTube再生回数は、日本人アーティスト最多となる7億回を突破している。
「アンナチュラル」は、“法医学ミステリー”と題した作品なだけあり、胸が苦しくなるシーンが多かったが、終盤に「Lemon」が流れると、暗闇に光が差し込んだような気分になったものだ。米津の才能ももちろんだが、「心に寄り添うような楽曲」と新井氏がリクエストしたからこそ、作品の流れを変える名曲に仕上がったのではないだろうか。
TCエンタテインメント
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