――2ndシーズンの中で印象深いシーンやエピソードはありますか？
2ndシーズンは、最初の時点からヒュースが主人公に近いようなポジションにいて、まさかの主役たちがド頭からずっと出てこないところから始まったんですけど(笑)。
でも、特にヒュースと玉狛の人たちとの関係性ができていく一つ一つのシーンがとても面白かったかな。
例えば、陽太郎と話している時のヒュースって話し方とか関わり方が全然違うし、陽太郎のことはとても認めているし、敬意を持って接しているし、どこか通じ合っている友達みたいなところがあったりもして、全部がすごく楽しかったです。
迅に対しては、露骨に「あいつ気に食わない」っていうのがあるけど、認めてはいるっていうのがすごく出ていて、ヒュースってそういう風に一人一人のキャラクターに対する今の自分の評価がとってもわかりやすい人なんですよね。
そのヒュースが相手のことをどう思っているかで、話し方がすごく変わる人なので、それが演じていて1シーン1シーン面白かったんですよね。
修に対しても「認めてない」っていうのがすごく出ていて、冷静に侮っているから、普通に従えないってことを平気で言ったりとか…。
逆に遊真に対しては認めているから、無駄なことは言わないし、向こうから何か言われても、認めている相手だからそれは受け入れるのが、一個一個出ていてすごく面白いなって思いますね。
そんな中で印象的だったのは、修を“認め始めている変化”が一番大きかったのかなと思うので、面白かったですね。
修の交渉術を見て、彼の能力をどこか認めたというか、自分が「玉狛第のエースになる」っていうことをしっかりと自分でも宣言をしたシーンがすごく印象的でした。
――1stシーズン～3rdシーズンで、ヒュースを取り巻く環境は大きく変わっています。今回の3rdシーズンでヒュースを演じるにあたって意識されたことや、変化させたことはありますか？
ヒュースに関してはちゃんと段階を追って描かれていたので、急に何かが変わったとかはなかったです。
「ワールドトリガー」ってあんなに登場人物いるのに、人間関係がしっかり描かれていて、しかもその積み重ねや変化の理由みたいなのもしっかり描写されているので、今回、仲間になったからとか、3rdシーズンになったからとかではなくて、ある意味、今までの積み重ねがあって、実際にそれが作品の中でも描写されているから、ちゃんと作品に表現されていること通りに、自然にヒュースに向き合っていけばいいんじゃないかなと思ってやっていたので、僕が何かを変えようっていうのはなかったかもしれませんね。
ヒュースが勝手に変わっていくというか、それがちゃんと描写されている積み重ねがあるなって思います。
――ヒュースというキャラクターの魅力とは何でしょうか？
なんだかんで人間くさいとこですかね、僕が好きなのは。
そういう風にしっかりと作品の中で描かれているっていうことでもあるんですけど、ヒュースってパッと見のイメージはクールじゃないですか。
しかも軍人で、ちゃんと訓練して割り切ったりもしてる人で、クレバーな人でもあるから…。
でも、ヒュースの人間らしいところとか、人間関係の積み重ねとか、人によって対応の違いがあって、相手のことをどういう風に思ってるかっていうのがちゃんと反映されてるし、いろんな出来事があって、更新されていくっていうのが、ちゃんとしっかり丁寧に描かれているので、そういう人間くさいとこ、それはヒュースに限らず、「ワールドトリガー」全体の魅力でもあるんですけど、ちゃんと一人の人間として掘り下げられてるところ、だからこそ、相反する面がいっぱいあるから、一言でも言えないところが魅力かなって思います。
クールだけど熱いところがあったり、クレバーだけどむきになるところもあったり相反するものをいっぱい持っていて、それが出たり引っ込んだり、ともすれば矛盾がいっぱいあるのが人間らしいって僕は思っていて。
どうしても漫画の中のキャラクターだから、平坦に考えがちなんですけど、ちゃんと人間として、生きてる人として描かれてるなっていうのが、いいなって僕は思いますね。
――「玉狛第２」というチームの印象は？ またメンバーの遊真、修、千佳の印象はどうですか？
修は本当に主人公しているなって思います。
実力的にすごく弱いところから始まって、みんながゲーム感覚だったり余裕がある人が多い中で、修は必死な感じで頑張ってる、やっぱり下から這い上がっていくっていうのが熱いなって思います。相方の遊真がめちゃくちゃ強い分、余計にね。
それは芝居付けとかにも表れてるし、作品の中でも描写されているし、特にこの2nd、3 rdという中で、どんどん修がいろんな意味で成長して、頼もしくなってく姿っていうのがしっかりと描かれているので、良い主人公だなと僕は思います。
遊真は逆に最初から戦いの上では完成されているんですが、そこにもいろんな思いが込められてるんですけど、表面上は変化が少ないというか、基本的には淡々としてますよね。
でも、遊真はもうどんどん人間らしくというか、逆にいろんなことを割り切って生きてきた人だからこそ、修をはじめ、みんなと打ち解け合って、遊真自身もどんどん変わってきているというか、それこそチームになって、仲間になって、大事なものも増えていくみたいな。
だから、たまに年相応っぽいところがポロっと遊真から見える瞬間っていうのは、ときめくなって思います。
千佳は彼女の成長が著しいのもあるけど、本当の成長はこれからなのかなみたいなところはある気がしますね。
努力しているし、どんどん前に進んでってはいるんですけど、どこか大きく引っ掛かっている。よりちゃんと自分と向き合ったりとか、大きな壁にぶち当たったり、それをどう乗り越えていくか、千佳はこれから可能性の塊だなっていう感じは、純粋にトリオン量的にもそうなんですけど、これからの成長が楽しみです。
修がどんどん頼もしくなっている分、逆に千佳の精神的な部分。これまでもちゃんと成長してるんですけど、これからがより楽しみになるなっていう思いがあります。
あと、地味にヒュースが千佳のことも、しっかり冷静に認めているのも面白いですよね。
ちゃんと能力を見ているというか、彼も仲間になったからには、できることやろうっていう人でもあるから、意外とちゃんとみんなのこと見て、向き合ってるところがあるなって思いますね。
