「音楽をやめて俳優として生きていくべきか」石橋凌が松田優作さんに尋ねると…
――石橋さんは「ヤクザ幽霊」という特殊な役どころですが、幽霊役のご経験は?
石橋:あります。豊川悦司さん主演で瀬々敬久監督の「DOG STAR」という作品でした。盲導犬と人とのつながりを描いた映画なんですが、事故で死んでしまった元ボクサー役で、幽霊として出てきました。
――今回の幽霊とはまた違いそうですね。
石橋:全然違いますね(笑)。
NAOTO:あのビジュアルはすごいです。
――短刀が体中に刺さっているんですよね。
石橋:NAOTOくんと山田愛奈さんと3人で、あの姿で台湾の市場を歩くシーンがあったんです。ゲリラ撮影だったので、現地のおばあちゃんが近づいてきて「あんた、こんなに刺さっていて生きているわけない。何で歩いているの?」って、ずっと僕に話し掛けるんです(笑)。とりあえず撮影だから離れてもらったんですが、休憩に入ったらまた近づいてきて「あんたそんなに刺さっていて」って(笑)。
NAOTO:あれはすごかった(笑)。みんな振り返っていましたね。
――たとえ刺さっていなくても着物姿ですし、現地の方からしたら珍しかったでしょうね。ところで、お二人は霊感はありますか?
NAOTO:僕は感じたことないですね。
石橋:僕は経験があります。幽霊を見たわけではないんですが、普通では考えられないようなことが起きたんです。
僕が一度、音楽をやめるきっかけになった出来事です。松田優作さんが亡くなられた後、お葬式があって火葬場にバスで行くときの話なんですが、その日は朝から曇っていたんです。僕は優作さんが亡くなられたのがあまりにショックで、「いったい何が起きたんだろう」というような状況でした。そしたらいきなり、重くのしかかっていた雲が割れて太陽が出てきて、すごく暖かくなったんです。「こういうこともあるんだな」と思っていました。
それから2週間くらい後、バンドのツアーで北陸から東北方面に電車で向かっていたんです。その時にふと思って、自分が俳優をやめてミュージシャンとして活動するべきか、音楽をやめて俳優として生きていくべきかを、心の中で優作さんに尋ねたんです。答えがあれば虹をかけてください、と。そうしたら、俳優一本で生きていくべきか、と聞いたときに山にくっきりと虹がかかったんです。
NAOTO:すごい…。
石橋:僕の中では、その時に決めましたね。
NAOTO:それは信じますよね。僕は経験したことはないですが、そういう話を聞くとこの作品でもあるように、自分には何かお役目があるんじゃないか、とか、そういうきっかけになる瞬間があるのかな、とは感じます。現象としてはまだ現れていませんが、否定もできないですよね。
◆取材・文=山田健史
11月5日(金)全国順次公開
監督・脚本・編集:SABU
出演:EXILE NAOTO(EXILE/三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)
山田愛奈 坂東希 吉村界人
諏訪太朗 武発史郎 瀬口寛之 川島潤哉 カトウシンスケ 小松勇司 山本龍二 木村圭作
國本鍾建 樋渡真司 竹内晶子 三谷悦代 奥瀬繁
石橋凌
主題歌:「ひとりじゃないから」Crystal Kay(ユニバーサル ミュージック/Virgin Music)
公式サイト:https://www.dancing-mary.com/
(C)2021映画「DANCING MARY」製作委員会
rhythm zone
発売日: 2020/03/18