「細かい部分まで気持ち悪くしています」
――オファーを引き受けた理由を教えてください。
プロットを読んだときに“残酷な事件とロマンスの融合を見てみたい”と思ったんです。でも、決定打は塚原監督とご一緒できることでしたね。
「グランメゾン東京」(2019年、TBS系)で初めてご一緒させていただいたんですが、ノンストレスだったんです。楽しい思い出しか頭に浮かばないくらい。打ち上げで(塚原監督に)「ぜひまたご一緒したいです」と伝えたら、今回のようなチャンスが巡ってきました。
後藤は「グランメゾン東京」で演じた相沢と全く違うキャラクターなので、どう料理していただけるか楽しみながら撮影しています。
――ここまで演じてみて “後藤信介”はどのような人物でしょうか?
後藤は4話冒頭のモノローグで端的に現れているように、孤独で会社が大好きな人間だと思っています。恐らくですが、完璧主義で人を信用していません。
そして最近僕が気になっているのは、薬師丸ひろ子さん演じる梓社長に対しての感情は(後藤にとって)ちょっとスペシャルなんじゃないかなと考察しています。梓社長に対してはふと人間的な表情を見せることがあるんです。さあ、どうなんでしょうか?(笑)
――後藤を演じるにあたり“癖のある衣装がいい”ということでマオカラーになったとのことですが、他にこだわっている部分やアドリブを入れたシーンはありますか?
こだわりはメークさんがかなり細かくキャラクターデザインをしてくださって、前髪にわざとうねりを出し、整髪料で嫌なツヤを出して“気持ち悪さ”を演出している部分です。不気味な存在感を出すために、みんなで細かい部分まで気持ち悪くしています。それが僕自身楽しかったりするんですが(笑)。
――お芝居でのアドリブはあるんですか?
アドリブは全くないです。演じるにあたって表情筋も極力使わず、身ぶり手ぶりも封印しています。これは僕が意識してやっていることなんですけれども、動かないからこその感情表現が難しくもあり楽しい部分でもあります。
――新井さんや塚原監督から言われて印象に残っている演出や指示はありますか?
基本的に「無表情で何を考えているか分からない男」「不気味な存在感」という打ち合わせの下、僕も余計なことをしないように努めているので、あまり細かな指示はされません。
強いて言えば第1話を撮影中に後藤の癖を塚原監督と一緒に考えて、せっかくの詰襟なので襟を直すという癖がプラスされました。なので、やり過ぎない程度に襟を直しています。
第5話で井浦新くん演じる加瀬に責められて、肩のあたりをつかまれたときに後藤が(手を)払いながら襟を直すっていうシーンがありましたが、これはアドリブでしたね。演じる中でおのずと出てきました。
■「最愛」公式Instagram:saiai_tbs
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