梨央ら、それぞれの愛の形が胸を打つ
大輝からの電話を受けた加瀬は「法律では守れないものがあるからです」と告げた。15年前の出来事をきっかけに、弁護士としてこの言葉を吐くに至った思いはいかほどが、察するに余りある。
3つの事件についてのブラックボックスが開けられたなかで、大輝に告げた加瀬の思いはブラックボックスにしまわれる演出だった。「頼みましたよ、宮崎(大輝)さん。ようやく手に入れた2人(梨央と弟の優)の幸せを壊さないでやってください」の言葉とともに。
大輝たちの追跡をかいくぐって姿を消した加瀬。その思いを大輝は刑事としてではなく、人として受け止めたに違いない。2人の最愛の人、梨央のために。涙がその証だ。
大輝と共に達雄の墓を訪れた梨央は、「私、何となく分かってるよ、加瀬さんのこと」と言うが、大輝は「何のことや」とはぐらかした。
愛のために人々は動き、愛するがゆえに加瀬は真相とともに消えた。大輝は愛で梨央を守り、梨央もまた弟・優(高橋文哉)を守りながら愛とともに前に進んでいくだろう。そんな余韻を感じながら、タイトルの「最愛」がずっしりと心に響く物語だった。
SNSには「今期最高のドラマだった」「彼らの愛の形が美しく切ない」「余韻がすごい」「脚本、俳優勢、主題歌どれも素晴らしかった」など、称賛の声が寄せられた。そして、「#最愛ドラマ」がTwitterのトレンド1位になったほか、「最愛ロス」もトレンド入りする反響を呼んだ。
(文=ザテレビジョンドラマ部)
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