今見てもちゃんと面白い…フォークダンスDE成子坂のコント5本を鑑賞
番組では、過去のコント映像をはさみながら、芸人たちがフォークダンスDE成子坂の魅力を語っていく。放送されたコントは「GAHAHAキング 爆笑王決定戦」(テレビ朝日系)で披露されたネタを中心に「ドラえもん」「彼女のお兄さん」「絵描き」「取り調べ」「音楽補習」の5本。25年以上前のコントなのに、そのどれもが今見てもちゃんと面白いことに驚く。
伊集院光はフォークダンスDE成子坂のコントについて、こう分析する。
「(ボケの)桶田くんがまったく熱量を上げない。クールなまま。勝負ワードとか勝負ボケみたいなものでも、平熱のままやるんですよ。どれくらいの笑いがほしいかは逆に村田くんが調整する。村田くんがすごく大きくツッコんでいったりとか、一旦流したりとか」(伊集院光)
コント「ドラえもん」では、子ども(村田)のところに、ドラえもん(桶田)がやってくる。ドラえもんといっても、桶田の服装はブラウンのスーツ。ドラえもんらしさは頭にかぶった青いタオルと、片手に持つどら焼きだけ。声色を変えず関西弁でそのまましゃべり、いじめっ子をやっつけたいと頼まれれば懐から拳銃を出す。まったくおどける様子なく、平熱で「ドラえもん」を演じる桶田。そこに村田がツッコんで笑いを取っていく。
一方、コント「彼女のお兄さん」では「彼女のお兄さんが年下だと分かる」という気まずい空気感を、2人は絶妙な演技力で表現してみせる。スタジオが注目したのは、村田の「間」の使い方だった。
サンドウィッチマン伊達「お兄さんが20歳と分かったときの渚のリアクション。あの間は出来ないですよ」
アンタッチャブル柴田「ちゃんと待てる。あれはできない、漫才では」
アンタッチャブル山崎「あれは桶田さんの“待たせてくれる魅力”というか。私にそれがないから(笑)」
古坂大魔王「桶田さんは余韻が面白いからね」
キャラクターやワードセンスといった「押しの笑い」だけでなく、間や余韻といった「引きの笑い」も巧みに操るからこそ、25年以上経っても彼らの笑いは古びないのだろう。それをデビュー数年の若手がこなすのだから恐ろしい。