和田庵、『茜色に焼かれる』で新人賞を立て続けに受賞！「本当に名誉なことだと思っています」
本当に名誉なことだと思っています
――公開初日が2021年5月21日でしたので、もうすぐ公開から1年を迎えます。今作でいろいろな賞も受賞されていますが、今の心境は？
撮影自体は2年前の夏で、僕が中学3年の時でした。去年公開を迎えて、この作品をたくさんの方が見てくださって、作品を通して僕の芝居を評価してくださり、多くの賞を頂くことができました。本当に名誉なことだと思っています。
――オーディションでこの役をつかんだそうですが、当時のことは覚えてますか？
覚えています。自己紹介をして、渡された台本をその場で読んでお芝居をするという流れだったんですけど、オーディションの前に自己紹介動画を各自で撮って、石井監督に事前に見てもらったんです。その自己PRの動画を石井監督に絶賛していただきました。
――ご自分で分析するのは難しいと思いますが、どこが良かったのだと思いましたか？
今回に限らず普段からオーディションは自己紹介だったり、質問だったり、尋ねられたときに「素」で返すようにしています。この作品での石井監督のオーディションも自然体だったのが良かったのかなと思います。
――オーディションは自然体でいることが一番大変ですもんね。
本当に難しいです。いつも「肩の力を抜いて！」と自分に言い聞かせています(笑)。
“負けず嫌い”なところは一緒
――今回演じられた純平は葛藤を抱えた役に見えましたが、和田さんは純平に対してどう思われましたか？
純平は勉強ができる優秀な子なんですけど、僕はどちらかといえば勉強より体を動かすことが好きなタイプ。そういう意味では難しい役かなと思ったんですけど、共通点もあって、負けず嫌いなところは一緒です。純平が自転車に乗る練習をしているシーンで、特に負けず嫌いだなと思いました。そういうちょっとした共感から純平の気持ちや彼の微妙な心情をくみ取ろうと思いました。
――和田さんの「負けず嫌い」はどういうときに発揮しますか？
先日ランニングに行ったんですが、「今日は10km走ろう」と走る前に決めていたんです。でも、途中で「もっといける！もうちょっといける！」というふうに思って、どんどん距離を延ばしていき、結局15kmくらい走って、気付いたら日が暮れていました。
以前は負けず嫌いだと思っていなかったんですけど、両親やそばで見てくれている人から「負けず嫌いでしょ」と言われて、そうなのかなと自覚しました。でも、負けず嫌いというよりは、スポーツにしろ、何にしろ、本気でやって勝てた時の代えがたい喜びが好きなだけなんです。
――尾野さん演じる母・良子との関係についてはどう思われましたか？
作品の中で良子がお芝居をしているシーンがあって、それもとても難しい役なんです。そういう難しい役を演じられている尾野さんを間近で見て鳥肌が立ちましたし、刺激を受けることがとても多かったです。
――親子のシーンが多かったですが、尾野さんと演技について話したりしました？
演技に関してはほとんどなかったのですが、楽屋では自然体の状態で本当の親子のように接してくださいました。尾野さんと一緒のシーンは最初すごく緊張していたんですけど、そういうふうにコミュニケーションを取らせていただいて、徐々にやりやすくなっていきました。
――石井監督からは「『“間”を意識して演じて』と言われた」と以前コメントされていましたが、それはどういう場面ですか？
最初に言われたのは、良子と純平が食卓でご飯を食べるシーンです。食い気味にお互いのことを聞くシーンだったんですけど、あの時は最初うまく間が取れなかったんです。どうすればいいか分からなくなっていたとき、監督から「尾野さんが言ったことに対してすぐに返さなくていいからもう少し待ってみて」とアドバイスを頂いて、その“間”という感覚を理解することができました。
――お芝居する上で間を空けるのは怖いものなんですか？
「茜色に焼かれる」の撮影前は、間を空けることに抵抗がありました。自分のセリフがあって、目の前の人が反応して、それに対して自分が返すという時に、時間を空けちゃいけないんじゃないかと。でも、この作品で監督に助言を頂いて、間を取れるようになってからは芝居もやりやすくなりました。
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