涙を流さないからこそ伝わる“強い意志”
――1話から3話でもさまざまな名シーンが誕生しましたが、ここまでで印象的なシーンがあれば教えてください。
第3話で、温人、未知留、三輪、東堂の4人で鳴沢家で鍋を囲むシーンがあるのですが、現在と17年前の2つ映像が流れるんです。おそらく撮り順的にも、昔のシーンを撮影してから現在のシーンを撮影したのですが、編集されているものを見てちょっと感動しました。
17年前のシーンでは温人が「早い者勝ちな」と言ってグラタンを真っ先に食べていますが、現代のパートでは東堂が「早い者勝ちなんだろ?」と言いながらニコッとほほ笑むんです。でも、たしか台本はそうなっていなくて。
ささいなやり取りにあたたかさを感じますし、そう言われた温人の何気ない表情も含めていいシーンだなと。本当に1つ1つのシーンを繊細に演じていただいています。
――第3話では、温人の流した涙が話題になりました。第2話までは涙を流すことなく、第3話でようやく流すというのは二宮さんご自身が考えたものだったのでしょうか?
そうだったと思います。第2話の「友果が帰ってきたらちゃんと謝りたい」というシーンでも、(温人は)涙をこらえていました。未知留もそうですが、本当の涙をこぼす瞬間って、きっとそこじゃなくて。友果を助けるために自分たちは向かっていかなきゃいけないという強い意志が、涙をこらえる表情から伝わってきますよね。
表現の仕方として、涙をこらえている方が見ている側からするといろんなものを感じ取れますし、二宮さんの中でそういった計算も当然あると思います。一家の大黒柱である父として、自分はしっかりしなきゃいけない、泣いていられないという感情があるからこそ、涙は取っておいたんじゃないかなと。
そして、第1話で家に帰ることをためらっていた温人が、第3話では友果に対して「帰ろう」と声を掛けるんです。たしか、そのせりふも台本にはなかったと思うのですが、温人の再生の物語でもあるなと感じました。
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