郭智博、自身の“どうしようもない”部分は「客観的に見た時にしゃべり方や言葉の選び方が子どもだなと思う」
――作品タイトルの最後は「、」で終わっていますが、その先の未来について考えたことはありますか?
映画の終わり方もクリープハイプの主題歌もそうですけど、僕の希望としては前向きな感じなのかなと。そうであってほしいなと思います。
――主題歌は郭さんの希望もあってクリープハイプの「二十九、三十」に決まったそうですね?
曲のタイトル「二十九、三十」は「彼」ぐらいの年代の曲で、話の内容ともリンクしていていいなと思いました。尾崎(世界観)さんが作る曲と倉本さんの世界観が似ていると感じているところもあったので、この2つを結び付けたら面白いかなと思ってプロデューサーさんに相談しました。
――タイトルにちなんで、郭さんが思う自分の「どうしようもない」ところは?
「彼」は子どものまま大人になっちゃったんだなって思いましたけど、僕自身もそうだなって。普段生活していて思うことがあります。
――どんなところがですか?
言動です。自分を客観的に見た時にしゃべり方や言葉の選び方が子どもだなと。もう37歳なのに、世間の37歳と比べたら子どもだなと感じる部分は多いです。だからこそ「彼」を演じることができたのかもしれません。
――話はガラッと変わりますが、郭さんはサッカーが好きだということで、今年のワールドカップで注目している国はどこですか?
僕はリバプールが好きなのでイングランドを応援したいんですけど、あまりパッとしないんですよね。大体いつも4強、8強で終わってしまうんです。個人的に今年はドイツなのかなと思っています。
――今後、役者としてどんな活動をしていきたいですか?
祖父が台湾出身ということもあるので、アジアの映画に出たいなと思っています。
――では、最後にメッセージを!
僕自身、子どもが虐待を受けているというニュースは見たくないし、聞きたくもないんです。子どもにはずっと笑顔でいてほしいですから。でも、実際にこういう問題があることを知ってほしいなと。すごく胸が痛いし、そう思うならなぜこの役をやったんだと言われるかもしれないですけど、この映画を通してそういう問題を考えてもらえたら役者冥利(みょうり)に尽きます。一人でも多くの方に見ていただけたらうれしいです。
◆取材・文=月山武桜
KADOKAWA / 角川書店
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