伊達は演じれば演じるほど、わかってきた気がします(安元)
ーー私事で恐縮ですけど、知人に同じような環境を経験してきた者が近くにいまして…。『アオアシ』の内容は、とてもリアルに描かれていて興味深かったです。
【小林】そうなんですね。実際の世界もこんな感じですか?
ーーとても近いものがあります。選手だけなく、監督やコーチ陣などそれぞれがユースチームならではのリアルな視点を描いていると思いました。お2人の演じる福田と伊達は、どんなキャラクターですか。
【安元】伊達は、とにかく指導者として厳しくしていなきゃいけないし、ぬるいだけじゃダメだから、ある意味、怖さの象徴みたいなキャラ。ただ怖い乱暴な人間ということではなくて、チームに対する愛もあるし、選手からの信頼も尊敬もある。大変な役回りの人だけど、こういう人がいないとダメなんだろうなぁっていう。演じれば演じるほど、わかってきた気がします。
【小林】ユースの監督というのは選手が今どういう状態にあって、どういう課題を与えれば次の課題に向かえるかっていうのを的確にとらえていて本当にすごいなって思います。福田の言葉で印象的なのは「正解をさっさと伝えるなんて、指導者の怠慢」という内容。実際、事細かに手取足取り教えるというのはユースではしないですよね。選手一人ひとりが考えて、自分たちの答えを出していかないと本当に省かれていくような世界ですね。実際、選手にはどこまでヒントを出すんですか?
ーー試合で戦うのは11人で、監督がプレーするわけではないので、その局面ごとで考えなきゃいけないのは選手。考える能力を身に着けるためには、やっぱり1から100まで教えるのではなくて70から100までは考えろっていうスタンスが多いように思います。実際に試合のときに考えることができる選手になるために。
【安元】それができるやつっていうのがきっとセンスっていうことですよね。